ライダーの皆様、寒波の中バイクに乗っていますでしょうか?1月初旬は暖かくバイクに乗れていたのに、1月下旬の厳しい寒さは身に染みます。雪にめっぽう弱い九州は、降雪して路面が凍結すると、車の事故や立ち往生などが多発し、交通網がすぐ麻痺してしまいます。実は管理人が若い頃、雪が多いことで有名な長野県に住んでいたことがあり、スタッドレスタイヤを履けばですが、雪道運転には慣れております。しかしながら二輪は別物です。でもSNSを見ていると、この過酷な状況でもバイクに乗っている強者がいるようです。本当にすごいと思いますが、どうか気をつけて運転して下さい。
さてテーマは少し変わりますが、今回は「バイクの燃費を向上させるにはどうすればいいか?」というお話をしようと思います。思えば昨年から続く、原油高・円安(今年に入って幾分円高に振れるましたが)の影響もあり、ガソリン価格はだいぶ高くなりました。2023年1月現在、熊本の某GSでハイオクは170円台、レギュラーは160円台です。バイクに乗るのに燃費なんか気にする?と以前は考えていましたが、これだけ高くなると給油時のレシートを見るたびに、ちょっと考えてしまいますね。燃費が1〜2割でも良くなれば、1年を通して考えると結構なコストセーブになると思うので、是非一緒に考えていきましょう。
あなたのバイクの燃費はどれくらい?
燃費向上の話の前に、現状のバイクの燃費はどれくらいか?を知ることが重要です。我が家の大型バイク2台の平均燃費とその測定条件は下記のとおりです。
メーカー | バイク | 平均燃費 | 最高出力 | 乾燥重量 | ECU | サイレンサー | 高速道路 |
トライアンフ | スラクストン1200R | 22 km/L | 97 HP | 約200kg | ノーマル | スリップオン | 無し |
ドゥカティ | 848EvoコルセSE | 13 km/L | 130 HP | 約170kg | ノーマル | スリップオン | 無し |
大型バイクで燃費15km/L 以上いけば燃費が良い方と言われている中、スラクストンRは22km/Lなのでかなり優秀です。対してやはりドゥカティ848はスーパースポーツバイクということもあり、燃費が悪いですね。排気量はスラクストンが1200cc、848が849ccですので、どうやら排気量が大きいと燃費が悪いということではなさそうです。むしろ重量と最高出力の方が関係ありそうな感じです。皆様のバイクの平均燃費はどれくらいですか?
燃費を向上させるために、できることは?
それでは本題に入っていきます。燃費向上において重要なポイントが、摩擦・効率・重量・電気です。この4つを改善すれば、燃費が良くなると考えられます。
1. タイヤの空気圧を適正にする;摩擦
燃費向上を考えるにおいて、タイヤの空気圧はかなり重要です。空気圧が低いとタイヤと路面の接地面積が大きくなり、摩擦抵抗が増えます。逆に空気圧が高すぎると、接地面積は少なくなりますがバイクが跳ねてしまって逆効果です。適度に摩擦抵抗を減らしてやることは、燃費を良くすることにつながります。
例えば、私が乗っているドゥカティ848は、公道での推奨空気圧が2.2くらいです。ちなみにサーキットでの高速走行時は1.8~2.0にしていますが、接地面積が増えてグリップが良くなる代わりに燃費が悪くなります。
2. エンジンオイルを交換する;摩擦
4ストローク車のエンジンオイルは、シリンダー内のピストン・クランクシャフト・カムシャフトが高速運動をするのを潤滑にすることが、主な役割となります。つまり綺麗なオイルの方が、ピストン運動がより潤滑になる(摩擦が少なくなる)ので燃費向上につながります。また粘土の少ないオイルの方が摩擦抵抗が少ない(柔らかい)ため、燃費は向上します。
*ちなみに10W−40と15W−50どちらが粘土が低いかと言えば、10W−40のオイルです。
3. オイル添加剤を入れる;摩擦
エンジンオイルに添加剤を入れることによって、オイル交換同様にピストンが潤滑に動き、燃費向上につながります。オススメのオイル添加剤はオメガオイル909です。特にエンジンオイルが汚れてきた時には、効果があります。
4. チェーンを調整・交換する;摩擦
1のタイヤを動かす動力源となるのがチェーンです。チェーンの張り調整及び清掃をこまめにして置くことが、摩擦抵抗を抑えることにつながります。また古くなったり錆のあるチェーンは、早めに交換することも重要です。
5. 抜けすぎのサイレンサーを使わない;効率
サイレンサーが抜けすぎるということは、燃焼効率が悪いことを意味します。結果、燃費が悪くなってしまうので抜けすぎないサイレンサーを使用するのがオススメです。サイレンサーを取って直管にすると、燃費が著しく悪くなることからも、それは立証することができます。
6. 急発進・急加速をしない;効率
急発進・急加速をするということは、無駄に燃料を使ってしまうということなのでやめておきましょう。
7. 渋滞を避けて、ある程度の高速巡航する;効率
渋滞というのは低速のストップ&ゴーが続くことを意味します。これは、バイクに限らず乗り物は停まっているものを動かすのに1番パワー(つまり燃料)を要します。逆に60キロくらいの一定スピードで、停まらずに巡航している方が、燃料消費量は少ないです。燃費を向上させるには、できる限り混んでいる道や時間帯を避けてバイクに乗るということが重要ですね。
余談ですが、渋滞のストップ&ゴーはエンジンにも良くないです。特にスーパースポーツなどの速く走るために作られたバイクは、油温も上がってしまうし、オイルは汚れやすくなるし、レギュレーターは焼けてしまうので良いことはありません。ドゥカティの本国イタリアの都市部(ミラノやローマなど)では、パニガーレは滅多に走っていないらしいので、イタリア人はよく分かっているのだと思います。
8. 不要なアイドリングや空ぶかしをしない;効率
不要なアイドリングや空ぶかしは、距離は進んでいなくとも燃料が消費してしまうので、燃費を考えるならできる限りしないようにしましょう。但し旧車やキャブ車はアイドリングしてから走らないとエンジンに良くないので、そこは臨機応変にいきましょう。
9. バイクを軽量化する:重量
バイクの重量は、ダイレクトに燃費に関わってきます。同じ排気量とエンジンで、150kgと200kgのバイクを比べると、圧倒的に前者の150kgの方が、燃費が良いです。
10. ライダーの軽量化する;重量
バイクの軽量化ばかりに目が行きがちですが、ライダーの軽量化こそ最も簡単にできることだと思います。痩せることによって、カッコよくバイクに乗れる&燃費も伸びるので一石二鳥です。
11. 電気使用量を減らす;電気
電気使用量をできる限り減らすことも、少なからずとも燃費向上に繋がります。日中デイライトの電源をOFFにする(古いバイクなら可能)ことや、ハロゲンからLEDに変えることでも、燃費が良くなります。
12. オルタネーターの変更;電気
オルターネーターの役割はバイクの各電装部品に電気を供給したり、バッテリーを充電することです。オルタネーターが古いと電力供給が弱くなり、燃費にも影響が出ると考えられます。
13. 古いバイクほど燃費が悪いので、オーバーホールする
古いバイクほど、エンジンやエキゾーストなど様々な箇所が劣化してきます。距離や年数を重ねていけばどんなバイクでも動きが悪くなってくるので、オーバーホールをして動きを潤滑にしてやると、燃費向上に繋がります。
14. 排気量、気筒数の少ないバイクに変える
最後は、究極に燃費が良いバイクに乗るという極論の話です。排気量・気筒数の少ないバイクに乗れば、燃費が良いこと間違い無しです。ちなみに50cc現行ホンダ・カブの燃費は、なんと70km/Lらしいです。7Lで東京ー大阪走破できてしまう訳ですね。ちなみにガス代を計算してみると、160円✖️7L=1120円です。何時間かかるかわかりませんが、カブが燃費最強ですね(笑)
最後に
今回は「バイクの燃費を向上させるには?」というテーマで14事例も紹介させて頂きました。そして今回、燃費を検証してみて、新しい発見や気づきがたくさんありました。管理人が車に乗り始めた頃は、レギュラー80円台・ハイオク90円台という時代だったので、改めて燃料代がこの四半世紀で倍増したのだなぁと感じます。バイクは趣味で乗っているので燃料をケチる必要はないと思いますが、バイクの中身や仕組みをもっと知ることによって、お財布にも環境にも無理のない範囲で楽しみたいものです。実は私、前職でとある燃料系プロジェクトに関わっていて、石油関係のことをかなり勉強&調査していました。また次回にでも、燃料について投稿していきたいと思います。
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