2025年も早いもので5月となりました。4月は色々諸事情があってブログの更新ができませんでしたが、バイクに乗るには最高のシーズンが始まっています。現在、筆者の所有しているバイクは、スクーターのLML以外全て、セパレートハンドル(以下セパハン)の前傾姿勢バイクになります。しかも積載性はほぼ皆無で、ロングツーリングには全く適しておりません。一昨年の12月に椎間板ヘルニアを患った私は、セパハンバイクの形が大好きなのですが、正直なことを言うと肉体的にはキツイです。このままドゥカティ848とBMW・R100を乗り続けるのか、もう少しゆったりと乗れるバーハンのバイクに乗り換えるか、最近は大いに悩んでいます。それに今年は、R100も848も車検の年です。これはもしかしたらですが、乗り換えを考えるタイミングなのかもしれません。そして乗り換えるなら乗ってみたいバイクがあります。それがドゥカティが誇るスポーツネイキッド「モンスター」です。と言うことで今回は、モンスターの歴史を深く紐解き、乗りたいモンスターを考えていきたいと思います。


・なぜドゥカティ推しなのか?
ドゥカティ・モンスターの歴史を紐解く前に、なぜ国産バイクや他の海外バイクではなくドゥカティなのか、という題目で少しお話します。確かに日本に住んでいる以上、関税のかかる海外バイクより、国内で作られた国産バイクの方が良いのではと考えるのが妥当です。筆者もその意見に深く賛同すると同時に、海外バイクの方が割高なことは否めません。ましてやドゥカティともなると乗りにくくて癖が強いバイクです。しかしながら、ドゥカティのバイクには国内バイクにはない魅力があります。それはイタリアンスポーツバイクとして強烈な個性であり、ドライビングプレジャーが強く感じられる事です。日本には多数の海外バイクが輸入されていますが、ドゥカティほど走りに特化したブランドはありません。それは世界最高峰のバイクレースMoto GPに最多の6台ドゥカティのマシンを送り出していることからも、生粋のスポーツバイクメーカーということが分かります。加えてファッションの国イタリアならではの、デザインの良さやエレガントさを感じることができるのも、ドゥカティならではですね。そういったことから、ドゥカティは「バイク界のフェラーリ」とも言われており、唯一無二の存在なのです。筆者のドゥカティ歴は900SSと848EvoコルセSEの2台ですが、走り好きのライダーには全力でドゥカティを推したいと思います。


・ドゥカティ・モンスターとは
数あるドゥカティのバイクの中で、最もロングセラーなのがモンスターで、実に30年以上生産され続けている人気車種です。ドゥカティ乗りが複数台集まれば、そこに必ずモンスターがいるといっても過言ではありません。カウルがないネイキッドバイクでありながら、スポーツ性とカジュアル性を両立した素晴らしいマシンです。ビギナーでも扱いやすいモデルから、レーシングマシンと同じエンジンを積んだスパルタンなモデルまで幅があるので、幅広いライダーに愛されているのが「モンスター」です。それでは30年以上の歴史を誇る「モンスター」の中から、いくつかのモデルを激選して見ていきましょう。

・モンスターの歴代モデル
*第1世代(1993〜2000年代前半)
▪️モンスター900:ドゥカティ初のネイキッドバイク「モンスターM900」が発売されたのは1993年。当時のドゥカティはフルカウルのスポーツバイクしか作っていなかった時代です。初代モンスターは、筆者も乗っていた900SSの空冷キャブのLツイン903ccに、888/851系のトレリスフレーム、アップライトなバーハンドルを採用して、デビューを飾りました。こんなバイクはドゥカティじゃないという否定的な意見もありましたが、徐々にこのスパルタンなネイキッドバイクが市民権を得ていくことに。ここからモンスターの歴史が始まったのです。


▪️モンスター1000:その後2台目モンスターとして、「モンスター1000S」が発売されます。先代の900SSの空冷・キャブレターから、SS900系の空冷・インジェクションに燃料吸気がアップデート。また748系のクロスミッションも採用され、M900よりも少し乗りやすいモンスターとして愛されたマシンです。


*第2世代(2001〜2006年)
▪️モンスターS4系:2001年、第1世代後期としてスーパーバイク916のエンジン・水冷Lツインを搭載した、「S4」が登場。2004年には片持ちスイングアームに形状変更され。倒立フォークが装備された996系の「S4R」、そして2007年には999系の「S4RS」への進化を遂げいていくことになりました。特別仕様車のモンスター「S4RSテスタストレッタ」は、最高出力130馬力を誇るハイパワーマシンで、サーキットも走れるネイキッドバイクとして注目を集めました。


▪️モンスターS2R系:2005年に発売された「S2R800」は、S4Rの弟分として発売されたモデル。片持ちスイングアーム&右2本出しマフラーを採用するも、先代モンスター800に使用されていた空冷Lツインエンジン仕様。装備の割には当時価格105万円とリーズナブルだったということもあり大ヒットしました。そして翌年2006年には、空冷モンスターのフラグシップモデルとして「S2R1000」がリリースされます。排気量992ccのツインプラグエンジンに乾式クラッチを組み合わせ、フルアジャスタブルのフロントサスペンションやリザーバータンク別体のフロントブレーキマスターも装備。そのスパルタンな走りから、今でも根強いファンが多いのが、このS2R1000です。


*第3世代(2008〜2013年)
▪️モンスター696/796/1100:2008年にフルモデルチェンジが行われ、空冷Lツインエンジン+トレリスフレーム+両持ちスイングアームの「696」がデビュー。このモデルは扱いやすさを重視した、ドゥカティのエントリーモデルとして人気を博しました。翌年には中間排気量803ccにボアアップした「796」、2009年には乾式クラッチが採用されたフラグシップとなる「1100」が発売。そして2011年、モンスターとしては空冷最終モデルとなった(2017年に空冷797が復活しますが・・・)「1100EVO」が登場しました。このモデルは、ABSに加えてDTC(ドゥカティ・トラクション・コントロール)という電子制御を搭載した最初のモンスターとなりました。


*第4世代(2014〜2020年)
▪️モンスター1200/821
2014年に第4世代としてリリースされた「モンスター1200」は、水冷エンジン・テスタストレッタ11°DSが採用されました。1100EVOに比べ車格やエンジンは大型化され、乗りやすくなった印象です。またモンスターとしては初めてライディングモード(アーバン/ツーリング/スポーツ)が選べるように。翌年には、1200のミドルクラスとして「821」が登場。エンジンは水冷821ccのテスタストレッタ11°で、筆者所有の848と同系統となっています。また2016年には、この時代のフラグシップモデルとして「モンスター1200R」が販売されました。エンジンパワーは160ps、サスも前後オーリンズなど、1299パニガーレと共通部品が採用され、サーキットを軽快に走れるモンスターでした。

▪️モンスター797:2014〜2015年、前述の1200/821の水冷モデルのみの販売だったのですが、2016年に空冷Lツイン搭載の「モンスター797」がリリースされました。第3世代の796を踏襲したモデルでしたが、型持ちスイングアームなど1200/821の要素も取り入れた、軽くて乗りやすいモンスターとして人気を博しました。

*第5世代(2021年〜現在)
▪️モンスター937:2021年の新型モデルとして登場したのが、現行モデルでもある「モンスター937」。エンジンは937ccの水冷となるテスタストレッタ11°Lツインで、最高出力は111psを誇ります。モンスターの代名詞であったトレリスフレームが廃止され、乾燥重量はなんと166kg、筆者の848より軽いのです。最新の電子制御が盛り込まれており、フレンドリーな乗り味でありながら、アグレッシブにも走れるスポーツネイキッドに仕上がっています。

・まとめ:モンスターを深く掘り下げたら乗りたくなった
ということで今回はモンスターの歴代を紐解き、歴代モデルを紹介させて頂きました。ドゥカティの中で実に30年以上、モデル名を変えることなく続いているのは、この「モンスター(怪物)」しかありません。それほどモンスターがドゥカティスタに愛されているからに他なりません。筆者もバイク仲間のモンスターを何度か試乗させてもらったことがあるのですが、どのモデルも非常に乗りやすく、それでいてドゥカティらしい荒々しさを感じることができます。冒頭に述べたように、セパハン2台に乗り続けるのが難しくなった際は、是非モンスターに乗りたいと考えています。この投稿を見てモンスターに興味を持った方は、新車・中古車問わず実車を見て試乗して欲しいです。特に中古車は、他のドゥカティ車種に比べて、リーズナブルなモノが見つかるので、オススメします。筆者のドゥカティ848の車検は2025年8月、果たして848に乗り続けるのか、はたまたモンスターに乗り換えているのか、今後の当ブログをご期待下さい。