ネオクラシックバイクに合うエンジニアブーツ7選

ルイスレザーズ1年待ちの刑(笑)に耐えられず、レザーライダースを手に入れてしまった管理人。Y2レザーとファインクリークの革ジャンを部屋の中で着ながら、只今育成しております。ドゥカティ848は修理から戻ってきましたが、シフトが入りにくく調整中です。BMW・R100RTの方はと言うと不治の病を患っており、現在も入院中です(涙)電気系の不具合の原因がわからないとか、本当に世話が焼ける子です。でもダメなクラシックバイクほど可愛く感じ、きっと良くなって戻ってくると信じています(根拠なし)。そんなネオクラシックなR100RTカフェレーサーと新しいライダースに、ベストマッチするシューズはエンジニアブーツではないでしょうか。シューレスのないエンジニアブーツの無骨な出立ちが、私は大好きなのです。ということで今回は、「ネオクラシックバイクに合うエンジニアブーツ7選」を紹介し、新たなる足元の相棒を手に入れたいと思っています。

1. エンジニアブーツとは

そもそもエンジニアブーツとはどういったブーツなのでしょうか。労働者のために作られたブーツをワークブーツと言い、エンジニアブーツワークブーツの一種です。その名の通り、エンジニアブーツは工場で働く技術者(エンジニア)の為に作られた安全靴です。機械に靴紐が引っかかったりしないようにシューレス仕様で、その代わりサイドのベルトで調整できるようになっています。履き口部分のベルトを緩めると、パンツの裾が中に仕舞える作りになっています。また足を守るためにつま先部分には、鉄製のカバーが入っています。シンプルな見た目とは裏腹に、エンジニアの為に様々な工夫が施されてるのが、エンジニアブーツです。

2. エンジニアブーツの起源から現在へ

そのエンジニアブーツの起源に関しては諸説あります。1937年、アメリカのチペワ(CHIPPWA)が、乗馬履として作られたEnglish Riding Bootを、工場で働く技術者達が履き始めたという説が有力なようです。翌年、同じくアメリカのウエスコ(WESCO)社が、造船作業員の為にエンジニアブーツを開発したという説もあるようです。さらに1938年にレッドウイング(Red Wing)社が、レイルロード・エンジニア(鉄道機関士)のために作った靴がエンジニアの起源とも言われています。どの説が本当なのかは分かりませんが、チペワ・ウエスコ・レッドウイングは、アメリカが誇る素晴らしいワークブーツブランドであることは共通しています。

バイカーがエンジニアブーツを履くきっかけとなった映画があります。以前ルイスレザーズのBRONXのところでも取り上げた、1953年上映のマーロンブランド主演「乱暴者」(英語名はTHE WILD ONE)です。劇中で見せるライダースジャケット・ジーンズそしてエンジニアブーツの着こなしは、多くのバイカー達に多大なる影響を与えました。

劇中でエンジニアブーツを履くマーロンブランド(モーサイH Pより引用)

現在日本における人気のエンジニアブーツといえば、RED WINGが筆頭格でしょう。全国にあるABCマートが販売店になっていることが大きいのですが、履きこむほどに足になじむ分厚いオイルドレザーの質感と、伝統的なグッドイヤーウェルト製法で職人が一つづつ縫い上げたオイルレジスタントのソール、そして積み上げられたゴツめのヒールが特徴となっています。

履き込んだレッドウイングのエンジニアは美しいですね(Dig-itのHPより引用)

3. ネオクラバイクに合うエンジニアブーツ7選

前置きはこれぐらいにして、本題の「ネオクラシックバイクに合うエンジニアブーツ」を紹介していきたいと思います。今回はバイクアパレル系ブランドのものではなく、本物志向のレザーを使い、作りにとことん拘ったブーツを7足選びました。そして定番中の定番である、レッドウイング以外をチョイス。伝統あるブーツメーカーからジャパニーズブランドまで取り上げてみましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。

愛車R100RTとAvirex のYAMATO(茶色の編み上げブーツ)

A. チペワ【アメリカ】

1901年にアメリカのウィスコンシン州で創業したブーツブランド。最初は森林で働く人たちの安全靴作りに定評があったのですが、後に軍隊や警察などワークブーツとして愛用されるようになりました。また工場で働く技術者の足元を守る「エンジニアブーツ」を作るようになり一躍著名ブランドになります。今ではアウトドアやファッション業界においても欠かすことのできないアメリカン・シューズブランドとして、広く知られています。

発売から70年以上愛され続けている定番の11インチ・エンジニアブーツがあまりにも有名です。堅牢ながらソール交換も可能な実用的製法「グッドイヤーウェルト製法」を採用。幾度もメインテナンスを繰り返し履くことができ、時代を超えて長く履き続けられる理由がここにあると思います。

B. ウエスコ【アメリカ】

1918年にアメリカのオレゴン州で創業したワークブーツブランド。創業の地であるオレゴン州ポートランドは、山に囲まれた土地であった為、ロガーブーツが主力商品でした。それから後に第二次世界大戦の影響もあり、造船業者からのエンジニアブーツの注文が殺到しました。そしてウエスコはキング・オブ・ワークブーツと呼ばれるようになり、戦後バイク乗りからも愛される有名ブランドになりました。

1990年代に誕生したBOSSは、レザーカラーが選べるなどカスタマイズできるエンジニアブーツ。堅牢でありながら手作りにこだわった製法が、バイカーだけでなくファッショニスタからも愛されるロングセラーです。

これを見ているとウエスコ・カスタムオーダーしたくなります

C. ホワイツ【アメリカ】

ホワイツは、現在ワシントン州スポーケンに本社を置くワークブーツメーカーで、創業はなんと18世紀半ば。ロガーブーツから始まった歴史は実に150年以上になり、今尚ハンドクラフト製法を続けている稀有なアメリカンブランドです。そんなホワイツの特徴は厳選されたレザーのみを使用すること、アッパーレザーとインソールを縫う糸にアイリッシュ・リネンと呼ばれる太い糸を使用すること、そしてグッドイヤーウェルト製法にあると言われています。

2013年から生産がスタートしたエンジニアブーツ「ノマド」はフルグレインのオイルドレザーを使用し、ホワイツ特有の“アーチイーズ(土踏まずの膨らみ)”も採用されているので、高いフィット感が得られます。長さは10〜12インチから選べます。

D. Rolling dub trio(ローリングダブトリオ)【日本】

Rolling dub trio(ローリングダブトリオ)は、浅草発のクラフトバンク社、徳永さんが2007年に立ち上げたオリジナルブーツブランドです。ローリングダブトリオのブーツは、前述のウエスコやホワイツのような堅牢で無骨な印象です。そしてレッドウイングやダナーよりも重くて頑丈で、壊れにくいとされています。日本人の足に合う木型で革にこだわって丁寧に作られている為、アメリカ産のエンジニアブーツが合わない人にはオススメのブランドです。

・キャスパー(ショートエンジニア)

一枚革のホースフロントレザーを使用しており、継ぎ目がない見事なショートエンジニアブーツ。履き込めば履きほむほど経年劣化が楽しめ、ジッパーで開閉ができる履きやすい一足となっています。

ついにキャスパーを購入した投稿は↓

キャスパーが人気がありすぎて、どこも売り切れなので、サイドゴアブーツのスタンを乗せておきます↓

ローリングダブトリオの定番エンジニアブーツなら、右がグリフィンで、左がREV101。特にREV101は、別称モーターサイクルブーツと呼ばれており、左の甲にシフトパッド・後ろはジッパーで開閉できる、ライダーに寄り添ったデザインになっています。

ローダブは注文しても1年待ち、中古もあまり出回っておりません。下記は以前のモデル、ジラフの中古です↓

E. BILTBUCK / by ATTRACTIONS【日本】

ATTRACTIONSが放つレザーを中心としたブランドがBULTBUCK。中でも1940〜1950年代モータサイクル創世記のスタイルを踏襲した、エレガントなエンジニアブーツ作りには定評があります。

・Lot.603 The Pioneer

グィディ社製ホースバット革を使用し、ドレッシーでクラシカルな印象のパイオニア。ミッドソールは馴染みが良く耐久性に優れた最高級オークバーク・ベンズ、アウトソールはビブラム社製セパレートソールを採用しています。一般的なエンジニアブーツより細身に作られている為、ワンサイズアップを選ぶのがオススメです。

・Lot.269

特殊な加工によりガラスフィニッシュとは思えぬエイジングを楽しめる、クロム&タンニンのコンビなめしのステアハイド(牛革)を採用。そして、顔料→染料の2種類の塗装と最終工程のワックス仕上げが特殊な透明感を生み出し、経年劣化も楽しめるドレスシューズのようなエンジニアブーツです。

ビルトバックのエンジニアも人気すぎて、注文しても1年以上待ちです。中古もほとんどないので、サイズが合うものがあれば即買いですね、とにかく美しいブーツなので。

F. Addict Clothes【日本】

このブログでも度々登場するアディクトクローズですが、レザージャケットだけではなくエンジニアブーツ作りにも定評があります。AB01Hは染料仕上げのホースハイドを使用し、爪先が薄くドレスシューズのような佇まいが印象的です。対してAB01RDは、重厚なステアハイド(牛革)を用い、丸みのあるトゥがエンジニアらしいブーツに仕上がっています。どこか上品で、ブリティッシュの匂いがするアディクトのブーツは、一度手にしたい1足です。

G. Duoford(デュオフォード)【日本】

そして最後を飾るのが、FINE CREEK LEATHERS 代表の山崎さんと、MAKERS代表の手嶋さんがタッグを組み、2020年に立ち上げたブーツブランド「Duoford」。デュオフォードのラインナップの一つでもある【LOTUS】(ロータス)は、FINE CREEK LEATHERS の代表作「GILMOUR」の革を使用して手嶋さんが作り上げたローパーブーツになります。ということはフルベジタブルタンニン鞣しのホースハイド、経年劣化が楽しみすぎる、ファインクリーク好きとしては見逃せない一品です。

左は3ヶ月着用、右は新品(DannyのHPより引用)
ファインクリークのギルモアとロータス(DannyのHPより引用)

4. やっぱりエンジニアブーツとバイクは最強のコンビ

今回は「ネオクラシックバイクに合うエンジニアブーツ7選」として、国内外のブランドを紹介させて頂きました。エンジニアブーツとはその名の通り、技術者のためのワークブーツです。しかしながら1950年代以降、堅牢で無骨なエンジニアブーツは、数多くのバイカー達に愛されてきました。そしてそのデザインが大きく変わることなく、今もライダーの足元に君臨していることに驚きと喜びがあります。とは言えエンジニアブーツも、革の素材や作り方、形や履き心地といったところは進化しているようにも感じます。今回紹介させてもらったエンジニアブーツ7選の中から、1つ是が非でも手に入れて自信のR100RTと一緒に走りたいと思っています。アメリカ産の伝統と選ぶか、はたまた日本産の日本人の足に合ったモノを選ぶか、じっくりと熟考しながら購入したいですね。そしてバイク、革ジャン、デニム、そしてエンジニアブーツを妥協なくこれからも追求して行きたいです。ここまでご購読ありがとうございました。

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5件のコメント

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