日本一 “渋滞がヒドイ” と言われる熊本市の道路事情

乗り物好きの皆様、今日も車やバイクに乗っていますでしょうか?都市部にお住まいの方は、平日は公共交通機関で移動し、休日にバイクや車に乗る方が多いのではと思います。筆者が現在住んでいる熊本市は、公共交通機関があまり充実しておらず、基本的に移動は車やバイクという人が大半です。という状況が影響しているのは理解しますが、熊本市内はとにかく渋滞がヒドイです。熊本には阿蘇があって、バイクで走るには天国と言われます。しかしながら熊本市内に住んでいる以上、市内の渋滞を抜けていかないと阿蘇には行けません。筆者は以前、東京都や大阪市といった大都市に住んでいましたが、日本の中で一番渋滞がヒドイのは熊本市だと感じています。人口わずか70万人の熊本市が、なぜこんな渋滞がヒドイのか、今回は熊本のドライバーの特性や道路事情も踏まえながら迫っていきたいと思います。

通町筋から見る熊本城

九州のほぼ中心に位置するのが熊本県で、福岡・長崎・大分・宮崎・鹿児島と隣接しています。残念ながら佐賀県とだけは、陸上・海上とも繋がっていないようです。そんな熊本県の県庁所在地は熊本市で、総面積は390万㎢・人口は約73万人です。日本には792の市がありますが(2022年調べ)、その中で人口が50万人を超える政令市は全国に20しかありません。20政令市の中で熊本市の人口は16番目なのですが、渋滞状況ではワースト1位らしいのです。

渋滞する東バイパス

熊本市よりも何倍も人口が多い横浜市(377万人)や大阪市(275万人)よりも、渋滞がヒドイとはどういうことなのでしょうか。これは人口の問題ではなく、どうやら別の原因が沢山あるようです。

冒頭にも述べたように、熊本市は公共交通機関が充実していない為、移動手段に車を利用せざるを得ません。熊本県民テレビの調べによると、熊本市は平日61.2%、休日73.4%と調査した16政令市の中で最も「移動手段に車を利用する割合」が高いようです。筆者は熊本市に移住してもうすぐ3年になりますが、熊本市電やJRはほとんど使用することがありません(自宅から電車で市内中心に行けない為)。バスはたまに利用するのですが、とにかく市内の渋滞がヒドイ時間帯は、結構遅延します。もう少し公共交通機関を充実させないと、車を利用する割合は減らないと思います。

移動手段に車を使うことに連動しているのですが、世帯当たりの自家用車保有台数も1.305台(令和3年の熊本県データ)と、政令市のある県の中ではワースト1位です。

熊本市は渋滞箇所が非常に多く、熊本県内の渋滞箇所のうち、大部分が熊本市に集中しています。下記の表にもあるように、熊本市の渋滞箇所数は180と全国の政令市ワースト1位です(但し大都市圏の東京・大阪・名古屋は除きます)。しかし、人口が熊本の5倍以上もある横浜市より渋滞箇所が多いとは・・・、私が感じている以上に熊本市は渋滞がヒドイのですね。

また熊本市中心部の平均速度は16.1km/hと、大都市圏(東京・大阪・名古屋)を除く政令市の中でワースト1位です。遅いとは思っていましたがここまでスローだとは思いませんでした。時速16kmとはママチャリよりもオリンピックのマラソンランナーよりも遅いことになります。

少し調査をしただけでも、熊本市は渋滞ワースト1位の要因が沢山あることがわかりました。日本よりも渋滞がヒドイとされる東南アジアのように、今日この道は末尾が奇数ナンバーしか通れないなどといった通行規制をかけるか、インフラをもっと整備しないとこの問題は解決されないと思います。次章では、九州以外から移住してきた筆者が感じる、熊本の道路問題について言及していきます。

熊本の中心部にシンボルとして君臨するのは「熊本城」です。過去に火事や地震などでダメージを受けながらも、不死鳥の如く復活してきた熊本城は、熊本市民のシンボルです。ですが、お城がある城下町特有の道路問題が熊本には沢山あります。まずひとつ目は、道がとにかく狭いです。熊本市内中心部の電車通や産業道路は、明らかに車幅が狭く、無理やり車線を増やした感があります。実際走っていると、隣のバスやトラックと接触しそうになることも。2つ目は、高架道路がほとんどないことです。大都市圏は、熊本より交通量が多いわけですが、高架を作ることにより車の流れを円滑にしています。しかし熊本市の中心部には、景観を気にしているせいなのか、高架道路が殆どありません。そのためにどうしても車が詰まってしまいます。3つ目は、右折レーンや右折矢印信号→がない道が多いことです。渋滞を引き越す要因の一つに、右折待ちの車が並んで進まないことが挙げられますが、まさに熊本ではそのシーンを頻繁に見ます。右折レーンや右折矢印信号がないと、右折するのにかなり時間を要するので、そこは改善して欲しいところです。

路面電車も通る片道3車線の電車通

筆者は熊本に移住してもうすぐ3年になりますが、とにかく熊本ドライバーの運転速度が遅いと感じます。空いている時間帯にも関わらず、片側二車線道路の右側をマイペースに30キロで走ってる車をよく見かけます。遅い車はせめて左車線に寄るべきだと思うのですが、東京や大阪と比べても、譲らない(もしくは後ろの車を見ていない)車が多いです。また流れに乗って運転できていない車が多く、前方の車との車間距離がイタズラに空いているケースも。言い方を変えるとマイペースすぎて、周りを見ながら運転できていないようです。渋滞を減らすためには、一人一人のドライバーが周りを見ながら適切なスピードで走るべきだと私は思います。

そして熊本に来て最も気になったのが、ウインカー(方向指示器)の概念の違いです。例えば国道を走っていると、信号もなく、前の車が詰まっているわけでもないのに、急にブレーキを踏む車がいます。ブレーキを踏んでから、左ウインカーを出してコンビニなどの敷地に左折して行きます。これって逆ですよね?まずはコンビニに入る50メートル手前(もしくは3秒前)くらいで左ウインカーを出します。その後、コンビニの手前でブレーキをかけて左折していくのが、普通です。

車線変更に関してはもっとヒドイです。ウインカーを出さないで車線変更する車が案外多いです。正直運転していて怖くなるくらい、ウインカーを出さない車や、出すのが極端に遅い車がいます。何なら、ハンドルを切り始めてからウインカーを出しているドライバーも見受けられます。

曲がる直前までウインカーを出さない車

ウインカーを出す本当の意味を、わかっていないドライバーが本当に多いですね。ウインカーは後続車や対向車に、自分は右折or左折しますよと知らせるためのモノです。こんな自動車教習所で初期に習う当たり前のことを、忘れているドライバーが熊本に沢山いるのですね。ウインカーを出さないで右左折したり、車線変更したするのは、立派な違反です。

・TSMC問題

TSMCという会社をご存知でしょうか?正式名称は「台湾セミコンダクター」といって、世界を代表する半導体の会社です。時価総額はおよそ7600億ドル(2024年8月)を超える巨大企業が、熊本市の隣町である菊陽町に大きな半導体工場を建設しました。TSMC進出による地域発展や雇用促進など、熊本経済にとっても大変喜ばしいことなのですが、工場の稼働よって渋滞が起きています。熊本市から菊陽町や大津町へ向かう道は、朝晩の渋滞がとにかくヒドイのです。通常は車で20分でいけるところ、1時間〜1時間半を要します。熊本行政は、工場誘致と同時に道路インフラを整備しないといけません。さらに現在、TSMC第2工場を建設しているようです。さらに渋滞がヒドくなることが予想されていますが、行政は本腰を入れて道路を増やし、渋滞改善に努める必要があるでしょう。

ということで今回は筆者の住んでいる、日本一渋滞がヒドイ熊本市について色々と言及しました。筆者は以前、日本全国を車に乗って営業していましたが、熊本の渋滞はダントツにヒドイです。熊本で生まれ育った人はそれが当たり前かもしれませんが、別の土地から来た人には顕著にわかる状況です。いくらバイクや車を運転するのが楽しくても、渋滞が多いと楽しさも半減してしまいます。そしてストップ&ゴーを繰り返してばかりいると、エンジン等に負担がかかり故障にもつながり兼ねません。加えて燃費も悪くなるばかりで、良いことはありません。熊本には様々な道路の問題がありますが、行政は渋滞がもっと減るように福岡のような都市高速を作るべきだと思います。そして熊本を走る一人一人のドライバーやライダーが、もう少し周りを見ながら円滑に走るという意識を持って運転することを強く望みます。今回の投稿は、「熊本市の渋滞」という、いつもとは違ったテーマでお届けしました。熊本を好きだからこそ、より良い熊本になるために、今後も色々な事由を発信していきたいと思います。

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