2024年10月某日、念願だったポルシェ911カレラS(997型)オーナーになった管理人。阿蘇をツーリングしたり、マスツーに参加したり楽しくカレラSを走らせておりました。そして納車されて1ヶ月が経った頃だったでしょうか。わずか1000キロ乗っただけなのに、オイルを補充して下さいという警告灯が出現(汗)。納車前にオイル交換をしたばかり&オイル漏れをしていないので、明らかにおかしいです。これはおそらくオイル下がりでしょうか。また以前から気にはなっていたのですが、エンジン始動時に、マフラーから結構な量の白煙がモクモクと出ます。そして走り出すとその白煙は止まります。いくら積算距離2.5万キロしか走っていないとはいえ、19年前の車です。まずは考えられる原因は何なのか調べてみることにしました。そして後半は、購入した車屋での修理から帰還までをレポートしていきたいと思います。
997カレラSの納車投稿は↓
・白煙が出るのはなぜ?
まず白煙が出るということはどういった症状なのでしょう?エンジン音を聞いている限り、異音が聞こえることはないのですが、白煙の匂いを嗅いでみるとオイルが焼けている感じがします。つまりマフラーから白煙が出る理由は、エンジンオイルが燃えて排気ガスと一緒に排出されていると考えられるます。この白煙が出ないようにするには、様々な箇所をまずは調査しないといけません。ということで次章は、まず997前期型の持病と言われる問題について言及していきたいと思います。
1000キロ走っただけでオイルレベルが低すぎます↓
・997前期の主な持病
色々調べてみると、ポルシェは世代別によって持病と呼ばれる問題が生じるようです。私の所有しているカレラ997前期(2005年式)にもいくつかの持病があります。997の前の世代である996後期や同世代の987ボクスター&ケイマンとも、不具合が起こる箇所は共通していると言われます。それでは順番に見ていきましょう。
1. インタミ問題
996同様に、997前期モデルでもIMS(インターミディエイトシャフト)ベアリングの問題が生じることがあります。放置するとエンジンに重大なダメージを与える可能性があるので対策が必要です。しかしながらインタミ問題に関しては、ポルシェのキャンペーンで対象車は対策品に交換されていることが多く、発生する確率は低いでしょう。
2. 6番シリンダー問題
正確には4.5.6番シリンダー問題ですが、997カレラ系ではエンジン構造の問題で局所的なホットスポットが発生し、シリンダーに傷が入ってしまうと言われています。特に3.8LエンジンのカレラSで発生しやすいと聞きます(筆者の車がドンピシャ汗)。基本的には冷却不足、潤滑不足で起こる問題となります。主な症状としては、シリンダーに傷が入ることでエンジンからカチカチとピストンがシリンダー壁をたたくような音が聞こえたり、オイル減りが早い、白煙が異常に多いなどがあります。
3. サスペンションの減衰調整不良(PASM)
997前期から設定のあるPASMですが、メーターに障害メッセージが表示されたり、スポーツモードが勝手にキャンセルされることがあります。またサスペンションスプリングの破損やPASMダンパーからのオイル漏れが報告されています。
4. イグニッションコイルの故障
エンジンの失火を引き起こす可能性がありますが、交換費用は比較的安価(1万円以内)です。
5. オルタネーターケーブルの不具合
997の初期モデルではオルタネーターケーブルに問題があり、バッテリー寿命の低下や電力アクセサリーの弱化が発生することがあります。
6. オイルセパレーターの故障
オイルセパレーターとは、エンジン内部で発生するブローバイガス(不燃料ガス)をオイルとガスに分離する装置です。冷却水を利用してセパレーターの機能を向上させており、オイルはエンジンに戻し、未燃焼ガスは吸気に戻して再燃焼させます。オイルセパレーターが故障すると、排気ガスから大量のオイルが排出される事になり、オイル減りが早い、白煙が異常に多いなどの症状が出ます。
・考えられる問題は? 入院へ
前章では997カレラによく起こる不具合1~6について調べてみました。この中から、現在の愛車の状態(オイル減りや白煙)から推察すると、当てはまってくるのは2と6だと考えられます。まずは2についてですが、エンジン内部からのカチカチという音はしないものの、オイル減りや白煙の部分では合致しています。過去に6番シリンダーを修理したことのある人の話によると、傷ついたシリンダー取り出して、新品に交換しないといけないようです。それはエンジンを開けて行う必要があり、いわゆるエンジンのオーバーホール。費用は安く見積もっても200万円以上(大汗)。納車1ヶ月で200万以上の出費は避けたいところです。次の6ですが、2と同様にオイル減りが早い&白煙が多いという点では共通しています。オイルセパレーターを交換すれば解決できるようなので、2の6番シリンダーよりは難易度と出費は低そうです。
これらのリサーチを踏まえたところで、購入した車屋さんに持ち込んで修理してもらうことにしました。幸いなことに納車から1か月経っていなかったので、一応保証期間内です。2と6を中心に見てくださいとお願いして、カレラSを預けてきました。あとは、2のシリンダー交換(エンジンオーバーホール)にならないようにお祈りするだけです。
・修理が完了
それから1ヶ月が経過した頃だったでしょうか。ようやく車屋さんから連絡がありました。どうやら部品の到着までに時間がかかったようです。まず懸念していた2のシリンダー問題ですが、スコープで確認したところ、各々のシリンダーに傷は見受けられなかったとのこと。とりあえず大事に至らず、ホッとしました。そして推測していた通り、6のオイルセパレーターの故障が一番の原因だったようです。すぐさま部品を取り寄せ、交換してもらいました。
それに加えてバキュームパイプの一部にも破損が見られたようなので、そちらも交換。エンジンが冷えた状態での始動で、白煙がそこまで出なかったようなので、修理はとりあえず完了とのことなので、車を引き取りに行ってきました。
・1ヶ月ぶりの997カレラSに乗ってみて
12月某日、台車で福岡にある車屋さんに向かい、愛車と久しぶりのご対面。サービスの説明終了後、土曜の夕方=大渋滞の福岡市内をカレラで走ります。1ヶ月運転していないと、初めは左ハンドルMTの運転に緊張している自分がいます。徐々に感覚を取り戻してくると、ポルシェRR運転の楽しさが大きくなってきました(笑)。しかし福岡市内の渋滞はひどく、ノロノロ運転は病み上がりのエンジンにはよく無いので、博多ラーメンを諦めて首都高に乗りました。そのあと九州自動車道を流して、熊本に戻ってきました。
オイルセパレーターを交換したのですが、しばらく白煙やオイル量、そして油温を気にしながら走ることにします。今回、納車わずか1ヶ月で不具合が出たことは決して喜ばしくは無いのですが、997の機関について学ぶ一つのきっかけとなりました。特に6番シリンダー問題に関しては、運転の仕方によっても出る出ないがあるようです。ポルシェ911はスポーツカーです。その中でも私の997は製造から19年経っている古い車ですし、乗り方と最低限のメンテを心がける必要があります。
最後に備忘録として、前述の「997前期の主な持病」ができるだけ発生しない・早期発見できるように、下記のことを厳守して997と付き合っていきたいと思っています。
A. エンジン始動時は、3000回転以内の暖気運転を心がける。
B. 油温が安定してきたら、回転数を上げて運転する。渋滞の中で運転は、極力避ける。
C. 夏場は油温が上がらないように、冬場は油温が下がりすぎないように注意しないがら運転する。
D. オイル交換は3〜4000キロ以内、もしくは半年以内で必ず交換する。
E. オイルは粘度の高い、高性能オイルを使用する。
またオイル以外の消耗品(パーツやゴム類など)についてもこまめにチェックして、末永い997ライフを楽しんでいきたいと考えています。ここまでご購読有難うございました。