デニムラバーの皆様、GWはいかがお過ごしだったでしょうか。住んでるエリアにはよりますが、最終日以外は良いお天気に恵まれたので、リフレッシュできたのではと思っています。筆者はデニムに革ジャンスタイルで、バイクや車に乗りました。しかしながらいつも走る阿蘇は、観光に来ている他府県ナンバーの車やバイクで溢れかえり大渋滞。やはりGWや大型連休の際は、早朝に走るか、メイン道路を避けるのが、快適に走れるようです。ある日は、バイク乗りの友人と映えスポットに向かい、棚田とバイクの写真を撮影。ちょうど田植え前に水がはられて、いい感じに撮れました、話は変わりますが、GWは天気も良かったのもあり、昨年5月に購入したTCBジーンズ「50s」のセットアップをついに洗濯することにしました。1年間洗わずに履き倒したGジャンとGパンの状態、どのようにして洗ったか、そして洗濯後の状態はどんな感じになったかを、今回はレポートしていきたいと思います。

本題と上記の写真は何の関係もありません
・TCBジーンズとは?
ジーンズの洗濯の話に行く前に、筆者が所有して履いていたTCBジーンズについて簡単に説明したいと思います。TCBジーンズは、日本ジーンズ発祥の地と言われている岡山県倉敷市を拠点とするデニムブランドで、特にヴィンテージ・レプリカジーンズの分野で高い評価を受けています。TCBは「Two Cats Brand」の略で、ブランドロゴにも猫があしらわれています。リーバイスをはじめとするアメリカのヴィンテージ・ジーンズを徹底的に研究し、シルエット、縫製、糸の太さ、パッチの素材まで忠実に再現しています。また日本製セルビッチデニムを用い、自社工場での一貫生産を行っているのが特徴です。


そんなTCBジーンズのラインナップは沢山あるのですが、筆者が1年前に購入したのは50s、いわゆるリーバイス・501XXのレプリカジーンズでした。少し太めのシルエット・やや深めの股下など、当時のワークスタイルが色濃くでたモデルです。用いられた生地は、岡山で織られた旧式力織機による14オンスのセルビッジデニムで、履きこむと荒々しい縦落ちやアタリが楽しめると言われています。昨年5月に購入した時のポストを貼っておきます↓
・1年間洗わずに履いてみた理由
1年間洗わずにデニムを履き続けるとは、まあ汚いなぁと思われますよね。元来ジーンズはワークウエアなので、そんなに洗わなくても良い衣類ではあります。それでも汗をかいた時は、ファブリーズしたり、天日干ししたりして、匂いには気をつけていました。また汚れた時は、濡れ布巾で汚れを拭きとっていました。そうやって管理すると、案外1年間洗わなくても何とかなります。
それではなぜ洗わずに履き続けたのか、その理由を下記にて説明していきます。
❶色落ちやエイジングを楽しむ:洗濯していないデニムを履き込むことで、独特の色落ちやアタリ(ヒゲやハチノス)が生まれます。これは履く人の体型や動きによって形成されるため、自分だけのジーンズになります。
❷生地の風合いを楽しむ:洗濯によってデニムの質感が変わってしまうことがあります。特に初期の数回の洗濯で、生地が柔らかくなったり縮んだりする為、ハリ感やゴワつきを楽しみたい人は洗わずに履くことをオススメします。
❸型崩れや縮みを防ぐ:洗濯しない状態で履くことにより、型崩れや縮みを避けることができます。
❹エイジングを楽しむ:最初に洗濯してしまうと、全体的に色落ちしてしまう場合があり、色のコントラストが出にくくなります。また途中に洗ってしまうと今まで色落ちやアタリがリセットされることがあるので、少なくとも半年、できれば1年くらいは未洗濯のまま履くことをオススメしたいです。強者は2〜3年は洗わないようですが、匂いが強くなってくる為、家族からは嫌われる場合があります。
以上の4点が洗わないで履く理由なのですが、デニムを育てたいという思いが強い程、洗濯するのが億劫になります。デニムは着れば着るだけエイジングしていくのを見ると、本当に生地が生きてるんだと感じさせてくれます。

・洗う前の状態
それでは洗濯する前、つまり1年間履いたデニムの状態を見ていきたいと思います。
▪️洗濯前の TCBジーンズ「50s」の2nd Type ジャケット
まずは約1年間着続けた2nd Typeの状態です。パンツに比べて着用頻度が落ちる(特に夏は暑くてきれない)ジャケットは、エイジングしにくいと言われています。しかしながら腕のヒゲ、ステッチ周りのパッカリングがしっかりと入っており、なかなか良い感じになりました。




このエイジングを眺めながらお酒が飲めますが、さらに良い感じに仕上げていきたいですね。
▪️洗濯前の TCBジーンズ「50s」のXX Type ボトムス
続きまして50sのボトムスのエイジングを見ていきましょう。糊付けした効果もあり、ヒゲやハチノスがくっきりと出てきました。(写真で見るより実物の方がよくわかります)嬉しいのが後ろのポケット周りがかなりいい感じにパッカリングが出ています。普段、財布や携帯をバックポケットに入れているので、素晴らしいエイジングをしてくれています。








エイジングとしてはまだまだですが、日々変化していくデニムはやっぱり最高ですね。
・デニムを洗濯する
それではいよいよ本題の「デニムを洗う工程」について書いていきます。もちろん洗濯機を使った方が楽で汚れも落ちるのですが、せっかく積み上げてエイジングしてきたデニムが台無しになってしまう可能性があります。今回はお風呂場にてデニムを手洗することにしました。
❶デニムを裏返す
まずデニムを洗う前に、デニムを裏返します。実はデニムは表面より、体が触れている裏面に皮脂や汗がついています。なので裏返して洗うのが基本です。また、裏返すことによって色落ちが進むのを防いだり、表面のダメージを減らす効果もあります。裏返した後、やりにくいですがボタンをとめておきましょう。


❷湯船にぬるま湯をはる
次に湯船にお湯をはりましょう。お湯といっても体温くらいのぬるま湯が理想です。温度は35度前後で良いかと思います。湯量は、デニム上下が問題なく浸せるくらいでOKです。

❸デニムをお湯に浸す
それではデニムをゆっくりとぬるま湯に浸していきます。ポイントはザブンと入れるのでなく、お湯にデニム馴染ませるような感じが理想です。

❹デニム専用洗剤を入れて揉み洗いをする
デニムがぬるま湯に馴染んできたら、デニム用洗剤を入れます。分量は水10Lに対して、キャップ1杯(10ml)です。筆者は、ウエアハウス推薦のデニム専用洗剤、「ナノコロイドプレミアム」を愛用しています。この洗剤の成分はオーガニックで、石油系界面活性剤・蛍光剤・漂白剤が入っておりません。なのでデニムをほとんど色落ちさせることなく、汚れを剥がす感覚で洗濯ができるのです。もしこういったデニム用洗剤がない場合は、酸性でなく中性洗剤を使用して下さい。


洗剤を入れたら手で揉むように洗っていきましょう。デニムを傷つけないように 優しくもみ洗いする感じです。やはり1年間という年月で汚れが溜まっていたのか、透明だった水がかなり濁ってきました。10分間くらい洗っていると、インディゴが落ちて水が青くなってくるので、やり過ぎには注意して下さい。

❺デニムを濯ぎ洗いをする
揉み洗いが終わったら、洗剤を落とすべく濯ぎ洗いしていきましょう。湯船の水を一旦流して、シャワーでぬるま湯をかけながら洗って下さい。洗剤の成分が落ちたら洗濯は完了です。
・デニムを乾燥させる
デニムを洗い終わったら最後は、乾燥です。乾燥機を使いたいところですが、生地が痛んでしまったり縮んだりするので、ここは自然乾燥です。天日干しよりも陰干しが良いので、乾燥もお風呂場で行うことにしました。
ジャケットはハンガー、ボトムスは洗濯バサミハンガーに吊るします。これでひたすら乾くのを待ちましょう。時短したい場合は、吸水性の高いタオルを使って、水分を拭き取ってから干して下さい。


・洗った後のデニム
1日陰干しして、ようやくデニムが乾きました。デニム用洗剤を使って手洗いしたこともあり、そんなに色落ちが進んでいるようには見えません。若干ですが、色落ちがくっきりしたような気はしますので、ジャケットとボトムスの画像を順番にみていきましょう。
▪️洗濯後の TCBジーンズ「50s」の2nd Type ジャケット


写真で見るとビフォー・アフターでほとんど変わっていない感じがしますが、腕のヒゲやステッチのパッかリングがより明確になったような気がします。あと補足ですが、襟元に缶バッチ(ルイスとBSAのモノ)をデコレートしてみました。
▪️洗濯前の TCBジーンズ「50s」のXX Type ボトムス





ボトムスも写真で見ると以前とあまり変わりがないように見えますが、実際はヒゲやハチノスがより鮮明になりました。我ながら中々良いエイジングが進んでいるように思います。
▪️洗濯後のデニムを履いた感触
1年間洗濯せずに履き続けたデニムと比べると、洗濯後はハリがあって履いていて気持ちがいいです。洗濯機や乾燥機を使わなかったこともあり、生地の縮みも硬さもなく、非常に良い状態を保ってくれています。やはりデニムの洗濯は「デニム専用洗剤」を使うに限りますね。
・今後もTCBを履き続けます
今回は、『1年間履き倒した「TCBジーンズ50s」を洗ってみた』という名目で、お気に入りのジーンズを洗濯してどうなったかをレポートしてみました。正直言うと1年間履き続けたので、もっと洗わずに履き続けようと考えていました。しかしながら汚れや匂いのことを考えると、1年は良い区切りになるし、結構いい感じのエイジングが進んでいるのもあり、意を決して洗ってみました。結果から言うと、洗濯して非常に良かったと思っています。ウエアハウスの推奨するデニム専用洗剤を使ったこと&手洗い洗濯により、色落ちがそこまで進まず、縮むこともありませんでした。そしてデニムが柔らかいまま清潔な状態に戻ってくれました。ここからまた1年間、お気に入りのTCBジーンズ50sを履き倒して、TCBジーンズ本社に展示されている(下記の写真)ような、素晴らしいエイジングを目指したいです。ここまでご購読ありがとうございました。
