8月上旬の日本列島、殺人級に暑い真夏日が続いていますが、お元気でしょうか?先日、令和8年熊本地震が勃発、余震が続くのもあって、中々ブログを更新できませんでした。幸いなことに、筆者の住んでいる地域はそこまで大きな被害もありませんでしたが、熊本南部は今も避難生活を余儀なくされている方々が沢山います。そんな中で大変恐縮なのですが、先月盛り上がったサッカーワールドカップ北中米大会について、ロスを感じている方々も多いのではと推察。今大会は参加国が48チームに増えたこともあり、実に39日間に渡る長い長い戦いでした。決勝戦はスペインVSアルゼンチンのFIFAランク1位2位の好カード。結果は延長前半にスペインが決勝点を挙げ、1−0で勝利しました。スペイン代表は無敗記録更新しながら、大会通じてわずか1失点と、かつて「無敵艦隊」と言われた時代を彷彿とさせるチームでした。最後はアルゼンチン絡みで荒れてしまった感もありましたが、長期にわたるワールドカップを視聴して、色々感じることもありましたね。日本代表はベスト32で敗退してしまったけど、決勝トーナメントに入ってからが面白かった北中米ワールドカップを振り返りながら、色々ポストしていきたいと思います。

・ワールドカップを振り返ってみよう
❶参加国が増え、試合数も増加
冒頭にも述べたようにワールドカップ参加国が32から48に増え、それに伴い試合数も64から104になりました。視聴している側からすると、非常に長く感じました。代表選手たちは、クラブチームでの戦いを終えた後にワールドカップに入るので、さらに長く感じているように思いました。決勝を戦ったスペイン・アルゼンチンは8試合も暑い真夏のアメリカ大陸でやっているわけですから、さそキツかったことでしょう。それに伴い、各国代表選手の中では、怪我で離脱してしまう選手も増えたように感じました。今まで出てこなかったチームが出場し夢や希望が広がった反面、選手に負担が多いので、自分としては参加国を減らす、もしくはグループ3位のチームは決勝トーナメントに行けないようにしてはと考えました。

❷ハイドレーションブレイク
今大会の新しい試みとしては、前後半の途中(大体25分前後)に、約3分間の給水タイムが設けられました。これは選手の体調管理が直接的な目的ですが、監督・コーチ陣が選手にアドバイスしたり、戦術確認・変更することができます。これによりハイドレーションブレイク後に、ゴールが決まって試合が動くことが多かったように感じました。サッカーなのに野球やバスケのように試合が止まるのは良くないという考えもありますが、自分はハイドレーションブレイクは肯定派です。しかしながら、全世界放映されるワールドカップで広告を打てる、FIFAが莫大な資金を得ているだけだと、否定的な意見も理解します。とは言え、世界的に温暖化が進んでいるので、このハイドレーションブレイクは、今後も採用されていくと思います。

❸最新テクノロジー導入
VARは以前からありましたが、今大会はレフリーカメラや上空カメラなど兎に角、様々な角度から映像を通してジャッジングしていました。特に数センチ単位で判定されるオフサイド、今までレフリーが見逃していたファウルなどはキチンと判定され、より公平性が保たれていた気がします(まあそうでもない試合もありましたが)。そしてマリーシア(スペイン語でずる賢い)を信条とする南米勢が、持ち味を発揮できずに、苦戦していた印象を受けました。ベスト8に残った南米勢が、アルゼンチンのみというのも、このテクノロジーたる所以なのでしょうか。また今回のワールドカップではDAZNが全試合放送していましたが、ハーフタイム&試合後の解説でイマーシブビューを使用。イマーシブビューとは、選手それぞれの視点でリプレイ検証ができる機能です。従来のTV中継では決して見ることのできない、様々な選手目線で映像を楽しめ、技術革新の凄みと迫力を感じることができました。
❹千両役者がゴールを決め、実力のあるチームが勝ち上がる
グループリーグから実力のあるチームのエース達がゴールを沢山決め、決勝トーナメントに入ってからもそれは続きました。結果、近年稀に見るハイレベルな得点王争いが繰り広げられました。
| ゴールランキング | 選手名 | 国名 | ゴール数 / アシスト数 |
| 1 | キリアン・エムバペ | フランス🇫🇷 | 10得点・4アシスト |
| 2 | メリオネル・メッシ | アルゼンチン🇦🇷 | 8得点・4アシスト |
| 3 | アーリング・ハーランド | ノルウェー🇳🇴 | 7得点・1アシスト |
| 3 | ジュード・ベリンガム | イングランド🏴 | 7得点・0アシスト |
| 5 | ウスマン・デンベレ | フランス🇫🇷 | 6得点・2アシス |
| 5 | ハリー・ケイン | イングランド🏴 | 6得点・1アシスト |

前回大会の得点王争いはエムバペ8得点・メッシ7得点でしたが、2大会前のロシアではケイン6得点・クリーズマンなど4得点。これらと比較すると今回大会のゴールデンブーツがいかにハイレベルなのかお分かり頂けると思います。いやエムバペとメッシが異次元すぎるのか・・・。ワールドカップ通算得点でも歴代の猛者たちをごぼう抜きし、エムバペ22得点でトップに立ちました(メッシは21得点で2位)。しかもエムバペはまだ27歳なのにも関わらず22試合で22得点、まだあと2大会くらい出れます。そしてこの得点王争いに絡んでいる6人中5人がベスト4のチーム所属でした。そしてベスト4に残った、スペイン・アルゼンチン・フランス・イングランドの4チームがFIFAランク1〜4位だったのも、本当に実力のあるチームが勝ち上がったと言えるでしょう。
そしてこの大会は劇的なゴールが多かったのも印象的でした。特にアルゼンチンは、後半15分で2点取って逆転したり、延長に入ってから試合をひっくり返したりと、ミラクルだった印象です。また歴代最強布陣と言われたサッカーの母国「イングランド」もケインとベリンガムのスーパーゴールでなんとかベスト4まで辿り着きました。そして得点王要するエムバペだけでなく、デンベレ・オリーせ・バルコラなどのスーパーな攻撃陣を要するフランスも、ベスト4までは危なげなく勝ち上がって来ました。
しかし優勝したのは、アルゼンチンでもイングランドでもフランスでもなく、得点王争いをしているストライカーがいないスペインだったのは意外だったかもしれません。次章よりそんな無敵艦隊「スペイン」について、大いに語っていきたいと思います。
・組織を打ち破る個人、それを打ち破ったスペイン代表
大会中に話題になったノルウェーの巨人「ハーランド」・怪物「エムバペ」・神の子「メッシ」、そしてMFとしてスーパーな活躍をした「ベリンガム」など、個人が組織を打ち破る姿を何度も見ました。日本に彼らがいれば、ブラジルに勝てたのでは、ベスト8くらいは行けたのではと、何度も試行しました。でもそんなスーパーな個人を要するチームを、次々と打ち破っていったスペイン代表。なぜスペインが強かったのか、準決勝と決勝を振り返りながら、言及していきます。

・準決勝:スペインVSフランス
事実上の決勝戦と評されていたスペインVSフランス戦。下馬評では、圧倒的に個で勝るフランスが有利という予想が多かったのではないでしょうか。筆者はフランスが強すぎて面白くないから、スペインを応援していました。しかし試合が始まると、スペイン代表はフランス攻撃陣を見事に無力化。あれだけ躍動していた、エムバペやオリーせは何もできません。スペインは組織力&個人技で、試合を完全にコントロールしていました。前半22分、フランスの左サイドバックであるリュカ・ディーニュが、ラミン・ヤマルをペナルティエリア内で蹴ってしまい、PKを獲得。オヤルサバルが落ち着いて決め、スペインが先制。その後も中盤で細かくパスを繋ぎ、フランスにカウンターの機会すら与えないスペイン。そして58分、ダニ・オルモとのワンツーから抜け出した、右サイドバックのペドロ・ポロが、GKとの1対1を制し、スコアは2−0。スペインは19歳DFのクバルシを中心に、フランスにチャンスを作らせることなく、試合は終了。フランスが弱かったわけでなく、スペインの強さだけが際立つそんな試合でした。
・決勝 スペインVSアルゼンチン
そして決勝戦は、イングランドを逆転の2−1で破ったアルゼンチンと、無敵艦隊スペインの一騎打ちとなりました。前節と同様に前半から、スペインが高いボール支配率で試合をコントロールし、ショートパスをつないで何度もアルゼンチンゴールに迫ります。一方、アルゼンチンは南米特有の激しい守備で対抗し、リオネル・メッシ を中心にカウンターでチャンスを伺いました。アルゼンチンの汚い守備が終始目立っていましたが、後半ロスタイムにクバルシへの激しいタックルを見舞ったエンソ・フェルナンデスが2枚目のイエローカードをもらい退場。スコアレスのまま延長線へ。10人になったアルゼンチンは防戦一方な展開。数的優位を得たスペインは更に攻勢を強め、延長後半106分にフェラン・トーレスが値千金の決勝ゴールを決めました。そのまま延長戦が終了し、スペインが2010年以来、2度目のワールドカップ制覇。試合はスペインの支配率60パーセント、シュート数はスペイン20本アルゼンチン3本で、まさにスペインの完勝でした。
スペインの強さが際立った大会
グループリーグ初戦はあのカーボベルデにスコアレスで引き分け、不安視されていたスペインでしたが、徐々にコンディションを上げ、終わってみれば決勝までの8試合で、失点はわずか1。世界最高のパスサッカーに加えて、組織的で堅い守備を存分に見せてくれました。そんなスペイン代表の強さの秘密はどこにあるのでしょうか?
❶若い世代から一緒にやっている&バルセロナ所属が多い
ユースの世代から一緒にやっている選手が多いのに加えて、バルセロナ所属の選手が26人中8人もいました。やはりサッカーはチームスポーツ、普段からやっている選手が多いのは大きなアドバンテージです。ヤマル・トーレス・ペドリ・クバルシなど各ポジションに、世界最高峰のチームメイトがいることで、美しいパスサッカーが展開できるのだと思います。余談にはなりますが、レアルマドリーの選手が1人もいないのは偶然ではないかもしれません(ククレジャが今シーズン、チェルシーからレアルへ移籍)
❷育成システムの素晴らしさ→各世代に有能な選手が育つ
バルセロナやレアルマドリーの下部組織で、若い頃からボールコントロール・判断力・パス・ポジショニングを徹底的に学びます。そのおかげもあって、スペイン代表は若い世代と中堅、ベテランが上手く融合できています。10代のヤマル&クバルシから30歳の最年長ぺドリまで、次のワールドカップもそのままいけそうな年代の選手が揃っていますね。筆者が特にサッカーを知っているなぁと思うのが、ダニ・オルモとロドリで、ボールコントロールが上手いだけでなく、試合展開を劇的に変えられる数少ない選手です。
❸世界最高ボランチ「ロドリ」の存在
そして現在のスペイン代表を語る上で欠かせない存在が、マンチェスターシティ所属の30歳「ロドリ」。派手なドリブルや得点を取るタイプのMFではないのですが、ゲームをコントロールする力を持った、世界最高の守備的MFです。2010年のスペイン優勝の時には、同じようなタイプにブスケツがいたのですが、それをさらに速く上手くしたのがロドリです。長短のパスを織り交ぜたパスでタクトを振るいますが、相手の攻撃の目を摘むこともできる、万能型MFと言えます。スペインはロドリがいるから、優勝できたと言っても過言はないでしょう。このワールドカップで大会最優秀選手に輝き、バロンドール候補とも言われています。まさに無敵艦隊スペインの心臓であるロドリ、これからも要チェックな選手だと思います。

果たしてこのスペインに勝てるチームが出てくるのか、いつまでも勝ち続けるのが難しいのがサッカー、今後が楽しみですね。
・日本代表はどうすれば強くなれるのか?
ワールドカップ終了後、アジアカップまで森保体制で行くことが決まった日本代表。その後は、ユースを指揮する大岩監督が引き継いでいくようです。8年間の森保体制の中、ワールドカップの決勝トーナメントで1勝もできなかったのは事実なので、外国人を呼ぶなりして日本代表に新しい風を入れて欲しかったですね。それができないなら、海外で長くプレイしてきた長谷部や岡崎、本田圭佑(ライセンスないけど)を監督にしては・・・と思っています。まあ指揮官だけの問題ではないのですが、今のままでは日本代表は、ワールドカップの決勝トーナメントで勝てないのではと私は思うのです。この章では、日本代表が強くなるにはどうすれば良いのかを考察していきます。


・世界的なストライカーを育てる
今も昔も永遠のテーマである日本ストライカー問題。メッシがいたらハーランドがいたらと考察しても、いないものは仕方がないのです。日本には上田綾世がいるとは言いますが、オランダリーグの得点王だけではインパクトに欠けますし、ワールドカップでは格下のチュニジア相手にしかゴールを決めていません。上田選手には、イングランドやスペインに活躍の場を移して、もっと屈強なDF相手に揉まれて欲しいですね。そこで経験を積んで一皮向けたら、真のストライカーになれるポテンシャルを秘めた選手だと思います。それ以外では、ワールドカップでほっとんど見せ場がなかった塩貝や後藤といった、20代前半の選手に期待したいですね。特に後藤は身長190cmの上背にスピードもあるので、身体をもっと鍛えて対人に強くなれば、前線のターゲットマンになり得る存在です。また今回ワールドカップには選ばれなかったけど、若くて意気のいいFWの逸材が出てくることを期待しています。

・サイドバック制を復活させて4バックに
今大会ベスト8に残ったチームは全て、4バックを採用していました。対して3バックなのは全48チーム中わずか3チーム。日本も従来は4バックだったのですが、カタール大会の途中から3バック&ウイングバックが定着。やはり対人に強いサイドバックがいないから、センターバックを1枚増やして、5枚で守るということなのでしょうが、それは世界のトレンドでもなく、世界では戦えないと考えます。全盛期の長友・内田・酒井宏樹のような、世界で戦えるサイドバックの育成は急務です。富安や伊藤洋輝はサイドバックができそうですが、怪我が怖いので、対人が強くスタミナのある新戦力の台頭に期待したいです。


・ビッククラブでレギュラーを張れる選手
前回投稿でも触れましたが、やはりワールドカップでベスト8以上のチームは、ビッククラブの中心選手がいます。日本代表は粒は揃ってきたのですが、そういった存在がいません。バイエルンの伊藤、リバプールの遠藤は、ビッククラブに所属しているものの、中心選手とは言えません。三笘のブライトンも久保のレアルソシエダも、残念ながらビッククラブではありません。4年後、次のワールドカップが始まるまでに、誰がその存在になれるのか?これはこれからの日本代表にとって、すごく重要な事案です。GKの鈴木彩艶、MFの佐野海舟あたりが、ビッククラブ不動のレギュラーになってくれればと思います。そして今回はワールドカップには選ばれなかったけれど、4年間でこの頂きまで登り詰める選手が出てくることを切望します。やはり周りがスペシャルな環境、そこで得られる濃密な経験が選手を作るので、日本代表選手は貪欲にクラブチームのステップアップをして欲しいですね。


・日本代表が目指すべきチームは?
日本代表が目指すべきチームは、スペイン?アルゼンチン?という議論がありますが、バックボーンが違いすぎるので比較するのは中々難しいかと思います。スペインは組織的で統制された印象がありますが、個人技に優れた集合体だからできる、サッカーをしています。アルゼンチンはリオネル・メッシという異次元の個人が存在し、それを最大限に生かすチームです。それでも身体能力が高いフランス、高身長のノルウェーなんかよりは、参考にできるのはスペインとアルゼンチンかもしれません。日本代表は個人の力・技術をもっと高め、ロドリやウーデゴール的な存在が現れれば、彼らに近いサッカーができることでしょう。私的には、組織的に統率されていて・ショートカウンターが得意なモロッコのサッカーが日本に向いているのではと思っています。
今回も日本代表は決勝トーナメントの壁に阻まれましたが、何かのきっかけでベスト8まで行けるような気がしています。サッカーも企業も人が揃えば勝てると信じて、これからもサッカー日本代表を応援して行きたいと考えています。
・4年後のワールドカップに向けて
大会史上最も長かった北中米ワールドカップが終わり、ここから4年後を目指すフェーズに入っていきます。各国代表の選手たちは、クラブチームに戻っての、熱い戦いが始まります。このワールドカップを見て好きになった選手がいれば、その選手が属するクラブチームの試合をぜひ見て下さい。それを見ることによって選手だけでなく、チームのことを好きになっていくことでしょう。リーグ戦やカップ戦を見ていると、ワールドカップとはまた違った楽しみ方があります。特にビッグクラブは、各国の代表選手が集まっているので、レベルが高く見ていて本当に楽しいと思います。私的には、イングランドの「プレミアリーグ」がオススメです。移籍市場は現在進行形で動いていますが、守田・前田・鈴木彩艶が新たにプレミア挑戦することが決まっています。富安選手も、アヤックスからクリスタルパレスに移籍し、アーセナル以来、再びプレミアの舞台に戻ってきました。世界最高峰のリーグで、日本人が躍動し、その経験を代表に持ち帰って欲しいですね。また筆者一押しの、ライス選手(イングランド代表)とウーデゴール選手(ノルウェー代表)が所属するアーセナルを見るのも楽しみです。サッカーって本当にワールドワイドで、夢があるスポーツです。その集大成がワールドカップなので、これから4年間サッカーを存分に堪能しましょう。


