国産4メーカーのバイクとライダーの特徴


ライダーの皆様、連日猛暑日が続きますが如何お過ごしでしょうか。九州地方は、日中暑すぎてバイクに乗る気になりません。体温を超える気温になってくると、バイクに乗ること自体が危険です。そしてバイクに乗るとしても早朝か夜になります。そんな時夏の間は、クーラーの効いた部屋やガレージで、バイクのメンテをしたり、次に乗るバイクのことを考えたりするのも良いかもしれません。このブログでお話しさせてもらっている通り、筆者は海外の大型バイクを6台乗ってきましたが、国産4メーカーのバイクには乗ったことがありません。興味はあるのですが、つい輸入車を選んでしまう自分がいます。でもいつかは国産メーカーのバイクにも乗りたいと思っています。

バイクを選んで買う時に、皆様は何を重視しますか?まずは形、色、スペックで選ぶ人が多いのではないでしょうか。その次は予算ですよね。そのバイクが欲しいと思って、お金の問題がクリアすれば、いよいよバイク購入しようかなという局面に入ってきます。しかし、もう一点気にして欲しいことがあります。それは選んだメーカーのライダーの特徴です。バイクは車と違って、メーカーや車種の繋がりが強い乗り物です。同じメーカー・同じ車種に乗っている人とのは交流の場面が必ずあります。それは道の駅だったり、コンビニの駐車場だったり、はたまたSNSだったり。せっかく大好きなバイクに乗るからには、同じバイク・同じ車種に乗る人と合う方が、その後のバイクライフが楽しくなると思います。


ということで、海外バイク好きの筆者から見た、国産4メーカーのバイクとライダーの特徴を書いていきたいと思います。海外バイクばかり乗っているライダーの戯言だと思って、読んで頂けたら幸いです。

国産4メーカーのバイクとライダーを語る前に、4メーカーの売上高や世界シェアを見ていこうと思います。我が日本が誇る国産バイクメーカーは世界中で販売されているのですが、案外国産ライダーは知らなかったりするデータです。

順位メーカー売上高世界シェア(順位)
1位ホンダ(二輪事業のみ)2兆9,089億円33.8%(1位)
2位ヤマハ(二輪事業のみ)1兆2,917億円8.7%(3位)
3位スズキ(二輪事業のみ)3,332億円2.3%(8位)
4位カワサキモータース288億円圏外(10位以下)
2022年度データ

このデータを見て、カワサキ乗りの方は特に意外だと感じたかもしれません。ホンダの売上高はカワサキの100倍以上だったとは、驚きです。そしてホンダは世界シェア1位、ヤマハは3位、スズキは8位ということで、3メーカーだけで世界の半分近く(44.8%)のバイクを生産していることになります。やっぱり日本のバイクメーカーって凄いですね。

参考までに世界主要国のバイク生産台数を張っておきます↓

一般社団法人 日本自動車工業会「世界生産・販売・保有・普及率・輸出

国産バイクメーカーといえば、HONDAを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。HONDAは本田技研工業株式会社が開発・製造するバイクで、国内シェア1位、世界市場でもシェアNo.1のバイクメーカーです。原付バイクからクルーザーまで幅広ラインナップを誇るホンダですが、安定した品質と燃費の良さは世界中で愛されています。筆者が以前出張でよく訪れていたベトナムでは、「バイクのことをホンダ」と呼ぶくらい、新興国では壊れないことで有名で大人気のバイクでした。余談ですが、ヤマハのホンダ、スズキのホンダというバイクが、ベトナムでは存在しているということです(笑)また日本全国の二輪教習所でホンダ車が採用されているので、ライダーにとって最初に乗ったバイクはCB(最近ではNC)だと思います。国産4メーカーの中では、一番癖がなく万人受けする大衆車が多く、一般的には壊れにくいとされています。

そんなホンダの代表的はバイクは下記の通りです。

・原付:スーパーカブ、ハンターカブなど

・ネイキッド:CBシリーズ

・アメリカン:レブルシリーズ

・スーパースポーツ:CBRシリーズ

CBR1000RR-R FIREBLADE

↑ホンダ公式ページより引用


そんなホンダ車を選ぶ人の特徴といえば、ズバリ「ニュートラル」です。よく言えば大人な人が多く、他のどのメーカーのライダーとも合わせられます。人気車種のレブルやCBRで集まることもあるけれど、輪を乱すことはありません。そしてホンダライダーは、お坊ちゃん・お嬢さん系が多い気がします。

ホンダなら大丈夫、ホンダなら壊れないという、呪文をいつも唱えています(ホンダでも壊れる時は壊れます)。ホンダが世界に誇る超ロングセラーのカブですが、「バイクという枠を超えた神聖な存在」とされており、ちょっと宗教かがっています。阿蘇・草千里で毎年行われるカブMTG(通称:カブ千里)には、関東や関西などの遠方から下道で “カブ主達” がやってきます。高速に乗れないカブに乗って何日もかけて、下道を500キロ、1000キロ走ってくるのは、常軌を逸しています。またホンダ車以外に乗る人からは、ホンダは面白みに欠けるとディスられることがあります。CBRのフラグシップモデルは本当に性能が良くて速くて乗りやすいのですが、優等生すぎて面白みがないというのは、何となくわかる気がします。

ヤマハ発動機株式会社が開発・製造するバイクで、国内シェアは2位、世界市場でも3位(2022年)と人気の高いメーカーです。静岡県浜松市発祥のヤマハは、楽器や自動車関連部品の製造を行なっている企業。バイクよりも楽器の方が歴史が古く、オートバイ製造は70年の老舗メーカーです。そんなヤマハのバイクは、グッドデザイン賞を受賞するなどデザインの良さが挙げれ、ブランド戦略が得意です。乗り味としては「ハンドリングのヤマハ」「コーナリングのヤマハ」と言われるように、旋回性が高いマシン作りに定評があります。2024年現在Moto GPを走っている国内メーカーはHONDAとYAMAHAだけになってしまいましたが、海外勢には葉が立たないものの、YAMAHAの方HONDAより少し成績が上回っています。

ヤマハの代表的なバイクは下記の通りです。

・原付;ジョグ、ビーノ

・ネイキッド:SR(2021年に販売終了)、XSR、MTシリーズ

・スーパースポーツ;YZFシリーズのR1、R6、R7、R25など

YZF-R1

↑ヤマハ公式ページおよびバイクブロスHPより引用

そんなヤマハライダーの特徴は、ブランド志向や高級志向が強く、「ナルシスト」が多いです。楽器メーカーらしく音色を奏でてバイクの乗る感じの、ちょっと変わり者がいます。バイクの趣向も異端児的なモノを好み、あまり群れない印象です。一説によると、スズキ乗りと仲が悪いとか。ホンダがカブなら、ヤマハはSRを神格化しています。SRだけは、カスタムに勤しむライダーが多く、ちょっと宗教がかっています。カフェレーサーやチョッパーにスタイルにして楽しんでいますが、SR400の馬力はノーマルで実は20馬力くらいしかありません。またスーパースポーツ系は、旋回性こそ優れていますが、他メーカーよりもシート高が高くスパルタンで、街乗りでは乗りにくいです。しかしヤマハ乗りは、それこそが正義と、市街地で扱いづらいバイクを一生懸命乗っています。

カワサキモータース株式会社は、原付一種などを作っていないので、国内シェアでは4位、世界市場ではトップ10圏外となります。カワサキモータースは兵庫県明石市に本社を置き、オートバイ、サイド・バイ・サイド・ビークル、全地形対応車、水上オートバイ、汎用エンジンなどを製造販売する企業で、川崎重工業の100%子会社です。大戦前は軍用機を生産していましたが、終戦後本格的にオートバイを作るようになりました。カワサキファン市場に特化した製品づくりにより、ZシリーズやNINJAシリーズのバイクメーカーとして高い知名度と人気を誇ります。また、1970年代には4ストローク4気筒の大排気量エンジンを搭載した900SUPER4(Z1)で北米市場を席巻し、現在では逆輸入車として日本市場で人気があります(価格がすごく高騰していることでも有名ですね)。

カワサキの代表なバイクは下記の通りです。

ネイキッド;Z900RSなどのZシリーズ、W800(旧車ならZ1、Z2, ゼファーなど)

スーパースポーツ;ニンジャシリーズ 250~1400cc

↑カワサキ公式ページより引用

往年の名車Z1(パイクブロスHPより引用)

カワサキライダーの特徴としては、漢(おとこ)カワサキと言われるように、男性が多く仲間意識が非常に強いです。イエローコーンのジャンパーを着た、ちょいワル親父の印象もあります。ミーティングを開催すれば、国内4メーカーの中で一番台数が集まるのがカワサキ。KCBM(カワサキコーヒーブレイクミーティング)には数百~数千台集まることもあります。馬鹿だけどテンション高くて、イケおじが乗っているイメージがあります。オイル漏れても故障しても、それがバイクだと割り切っています。とにかくライムグリーンと火の玉カラーが好きで、ZとNinjyaを呪文のように唱えています。ZなのにZ世代はあまり理解できない世界、それがKAWASAKI WORLDです(笑)。

スズキ株式会社が開発・製造するバイクで、国内シェアは3位、世界市場でもインド・中国勢が伸長するなか8位と健闘しています。静岡県浜松市の本社を置く、スズキは車部門と二輪部門を持つ、日本有数の輸送機器・機械メーカーです。スズキといえば軽と言われるように、軽自動車の日本シェアはトップです。そんなスズキのオートバイは、50ccの原付から1300ccの隼まで多種多様ですが、デザインも作りも非常に個性が際立っています。1980年代にバイクデザインに革命をもたらしたKATANAシリーズ、1990年代に量産車として初めて時速300キロオーバーを実現した隼シリーズは、スズキらしいモデルだと思います。そして今でも油冷エンジンを作っているのは、国内ではスズキだけではないでしょうか。

スズキの代表なバイクは下記の通りです。

ネイキッド;KATANAシリーズ

ツアラー:隼(GSX1300R)

スーパースポーツ;GSXシリーズ

アドベンチャー:V-ストローム

↑スズキ公式ページより引用

GSX-R1000R(モーターマガジン社HPより引用)


スズキのライダーの特徴は、「天上天下唯我独尊」というか、個性的で変わり者のイメージ。スズキ車は癖が強くてコスパ最強なバイクです。それ故に一度ハマってしまうと抜け出せない魅力があり、結局は次もその次もスズキ車に手を出してしまう「鈴菌」に感染するリスクが非常に高いとされています。コスパが良い反面、安物とディスられることもあります。同じく個性的なヤマハ乗りとあまり仲が良くありません。

ここまでHONDA、YAMAHA、KAWASAKI、SUZUKIという国産バイク4メーカーのバイクとライダーの特徴をみてきました。特に第1章で紹介した売上高や世界シェアは、知らなかった方も多いのではないでしょうか。日本人として、世界のバイクの半数近くが日本車であることは、誇らしいですね。そして第2章からはメーカー別のバイク&ライダーの特徴にフォーカスしました。各メーカーのバイク作りの特徴からライダーの特徴まで言及してきましたが、ライダーの特徴を一言で表すと、こんな感じでしょうか。


このポストはあくまで悪口ではなく、海外バイク好きの筆者の個人的な見解であることをどうかご理解下さい。それでもバイクを購入する前に、バイクメーカーの特性やライダーの特徴を知っておくことは重要だと思ったので、このテーマで筆を取りました。今後、バイクを買う・乗り換える際の何らかの参考になれば幸いです。次は海外バイクの特性やライダーの特徴も言及したいと考えていますので、乞うご期待下さい。

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