Moto GP 2025開幕! 小椋藍 鮮烈の決勝5位デビュー

バイクレース好きの皆様、待ちに待った季節がやってきました(更新遅くてすみません)。2月28日より、Moto GP 2025がタイにて開幕しました。今年のMoto GPは開幕前から、楽しみなトピックが盛り沢山でした。マルク・マルケス選手がドゥカティのファクトリーチームに移り、前年チャンピオンのマルティン選手がアプリリア・ファクトリーに移籍。そのマルティンが昨年度在籍していたプラマックは、ドゥカティからヤマハにエンジンに変わり、ヤマハはファクトリーと合わせて4台体制に。そして何と言っても、我々日本人が注目するのが、前年Moto 2 年間王者に輝いた “小椋藍” 選手が、トラックハウス(アプリリア)からMoto GPデビューを果たします。そんな見どころ一杯のMoto GPですが、先週初戦のタイGPを終え、小椋選手が快挙を成し遂げてくれました。と言うことで今回は、Moto GP 2025の開幕を記念し、各チームの新体制を確認し、第1戦タイGPのリザルトを振り返っていきたいと思います。

筆者がMoto GPを見始めたのは2023年でした。それ以前も興味はあったのですが、中々見始めるきっかけがありませんでした。ドゥカティ848を所有し始めた頃、いずれはサーキットを走ってみたいと思うようになり、走行会デビューを果たしました。そしてスポーツバイクの世界をもっと知りたいと考え、Huluを月間契約してMoto GPを見るようになりました。初めてMoto GPをフルでみたのは、2023年開幕戦ポルトガルGP。想像を遥かに超えるスピード感とテクニック、そして超絶スリリングな展開、なぜバイクに乗っていて、こんなに面白いMoto GPを見なかったのかと後悔しました。それからと言うもの、Moto GPを欠かさず見るように。はい、実は筆者は、Moto GP視聴歴3年目の ”ひよっこ” という訳です。

それでは表題のMoto GPとはどういったレースなのでしょうか。MotoGP (ロードレース世界選手権)は、FIM (国際モーターサイクリズム連盟)が主催する二輪レースの最高峰カテゴリー。その歴史は1949年からと古く、今年で77年目を迎えます。現在はMoto3、Moto2、MotoGPの3クラスが存在。なかでもMotoGPクラスには、世界中から有力ライダーが集まり、トップオブトップを目指してしのぎを削ります。現在のMoto GPのレギュレーションは、最大排気量1000cc、シリンダー数4気筒以下、最大ボア径81mmの4ストローク・レシプロエンジンを搭載することです。ちなみに昨年のMoto GP年間チャンピオンはホルへ・マルティン選手、そしてMoto2年間年間チャンピオンは、小椋藍選手でした。

Round国/地域サーキット決勝日(日曜)
第1戦タイチャン・インターナショナル・サーキット3/2
第2戦アルゼンチンアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンド3/16
第3戦アメリカズサーキット・オブ・ジ・アメリカズ3/30
第4戦カタールロサイル・インターナショナル・サーキット4/13
第5戦スペインヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエト4/27
第6戦フランスル・マン-ブガッティ・サーキット5/11
第7戦イギリスシルバーストン・サーキット5/25
第8戦アラゴンモーターランド・アラゴン6/8
第9戦イタリアTムジェロ・サーキット6/22
第10戦オランダTT・サーキット・アッセン7/9
第11戦ドイツザクセンリンク7/13
第12戦チェコブルノ・サーキット7/20
第13戦オーストリアレッドブル・リンク8/17
第14戦ハンガリーバラトンパーク・サーキット8/24
第15戦カタルーニャカタロニア・サーキット9/7
第16戦サンマリノカミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ9/14
第17戦日本モビリティリゾートもてぎ9/28
第18戦インドネシアマンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキット10/5
第19戦オーストラリアフィリップ・アイランド・サーキット10/19
第20戦マレーシアセパン・インターナショナル・サーキット10/26
第21戦ポルトガルアルガルベ・インターナショナル・サーキット11/9
第22戦バレンシアリカルド・トルモ・サーキット11/16

2025年の年間スケジュール(暫定)は上記の通りです。今年の日本GP(もてぎ)は9月26~28日です。一度でいいので、生でMoto GP観戦してみたいと思っています。

続きまして、今年のMoto GPのチームと在籍ライダーを見ていきましょう。2025年は、チーム名やスポンサーが変わっている所があります。またライダーも大幅に入れ替えが行われ、今年はルーキーが3人(*)も参戦します。

TeamconstructorsmachineNo.RiderNationality
Ducati Lenovo teamドゥカティデスモセディチGP2563フランチェスコ・バニャイア🇮🇹
Ducati Lenovo teamドゥカティデスモセディチGP2593マルク・マルケス🇪🇸
BK8 Gresini Racing ドゥカティデスモセディチGP2473アレックス・マルケス🇪🇸
BK8 Gresini Racing ドゥカティデスモセディチGP2454フェルミン・アルデゲル(*)🇪🇸
Pertamina Enduro VR46 RacingドゥカティデスモセディチGP2549ファビオ・ディ・ジャンアントニオ🇮🇹
Pertamina Enduro VR46 RacingドゥカティデスモセディチGP2421フランコ・モルビデリ🇮🇹
Aprilia RacingアプリリアRS-GP1 (89)ホルヘ・マルティン🇪🇸
Aprilia RacingアプリリアRS-GP72マルコ・ベッツェッキ🇮🇹
TrackhouseアプリリアRS-GP25ラウル・フェルナンデス🇪🇸
TrackhouseアプリリアRS-GP79小椋藍(*)🇯🇵
Red Bull KTM FactoryKTMRC1633ブラッド・ビンダー🇿🇦
Red Bull KTM FactoryKTMRC1637ペドロ・アコスタ🇪🇸
Red Bull KTM Tech3KTMRC1623エネア・バスティアニーニ🇮🇹
Red Bull KTM Tech3KTMRC1612マーベリック・ビニャーレス🇪🇸
Monster Energy YamahaヤマハYZR-M120ファビオ・クアルタラロ🇫🇷
Monster Energy YamahaヤマハYZR-M142アレックス・リンス🇪🇸
Prima Pramac YamahaヤマハYZR-M143ジャック・ミラー🇦🇺
Prima Pramac YamahaヤマハYZR-M188ミゲル・オリベイラ🇵🇹
Honda HRC CastrolホンダRC213V36ジョアン・ミル🇪🇸
Honda HRC CastrolホンダRC213V10ルカ・マリーニ🇮🇹
Honda LCRホンダRC213V5ヨハン・ザルコ🇫🇷
Honda LCRホンダRC213V35ソムキアット・チャントラ(*0🇹🇭

このMoto GP2025のチーム&ライダーの中で、筆者が思う「特に注目すべき点」は下記の6項目。

❶ついにドゥカティ・ファクトリーのシートを手に入れたアレックス・マルケスが、年間チャンピオンに返り咲くのか

❷2022、2023とドゥカティ・ファクトリーで2年連続チャンピオンだったパニャイアが、王座奪還するのか

❸昨年チャンピオンのマルティンが、ドゥカティからアプリリアに移り、今年も再びチャンピオンになるのか

❹昨年Moto 2チャンピオンの小椋藍が、トラックハウス(アプリリア)で旋風を巻き起こすか

❺昨年鮮烈なデビューを飾った2年目のペドロ・アコスタが、KTMファクトリーに昇格し、今年は本領を発揮するのか

ヤマハはプラマックにエンジン提供し、昨年の2台から4台体制に。ホンダも含め日本勢の巻き返しなるか

このように注目点が盛りだくさんなMoto GP2025、本当にこれから楽しみです。

ここからは先週行われたMoto GP第1戦タイGPについて、レポートしていきます。開催されたのはタイのブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットで、全長4.5kmの高速コース。予選は、ポールポジション(1位)マルク・マルケス、2位アレックス・マルケス、3位パニャイアが一列目。4位にはヤマハに移籍したジャック・ミラー、5位には今回がデビューとなる小椋選手!!これはひょっとすると来るかもと、期待感が高まりました。残念ながら、2024年・年間チャンピオンに輝いたマルティン(アプリリア)は骨折の為、出場していません。

Moto GPクラスのみ、予選の次にスプリントレースが行われます。決勝の半分の周回(今回は13周)で行われるスプリントは、1周目マルク・マルケスがホールショット、アレックス・マルケス、バニャイア、小椋は1人抜き4番手に。5番手のモルビデリは4コーナーで少しミスをしてミラー(ヤマハ)に抜かれます。クアルタラロは7番手まで順位をあげ、9番手スタートのベッツェッキはスタートミスで大きく順位を落としました。2周目以降は、上位陣に大きな順位変動がなく、前のドゥカティ3台を小椋が伺う様子です。2 times Champion “パニャイヤ” の後ろに、小椋が走っているだけでも鳥肌ものでした。そのまま周回が進んでいきますが、7周目にミラーがスリップしリタイア、アコスタがクアルタラロをかわして6位浮上。そのまま各ライダー周回を重ね、最終ラップも危なげなくクリアしてマルク・マルケスは1秒差のリードを築いた状態で勝利。アレックス・マルケスが2位、バニャイアが3位となりドゥカティ勢が表彰台を独占。小椋は4位に入りポイント獲得だけでなく、ルーキー初戦で表彰台まであと一歩でした。Moto GPデビュー戦のスプリントで、鮮烈なインパクトを与えてくれた小椋選手。翌日の決勝が、非常に楽しみになりました。

スプリントレースから一夜明け、ついに開幕戦の決勝レースがスタート。タイは2月でも気温36度、路面温度は49度とライダーにとってはハードなコンディション。タイヤ選択は1列目のドゥカティ3人はソフト/ミディアム、2列目はミラーはハード/ソフト、小椋は前後ソフト、アコスタはハード/ミディアムと、それぞれの思惑があるようです。スタート直後の1コーナーで、アレックス・マルケスが膨らみ、1位マルク・マルケス、2位パニャイヤ、3位小椋で編成します。これは小椋デビュー戦で表彰台か!と期待したのも束の間、アレックス・マルケスにパスされ4位後退。その後、アレックスはパニャイヤもかわして2位浮上。4周目には後方から上がってきたモルビデリに小椋が抜かれて順位は5位に。

そのまま周回が進み、7周目に弟マルケスが、兄マルクをパスし首位浮上しましたが、これはマルクが行かせた感がありました。兄弟で世界最高峰のMoto GPのワンツーを走っていることが凄い事です。レースも中盤に差し掛かり、アコスタやミルの転倒もあり、順位が激しく入れ替わります。しかしながらトップ集団に大きな順位変動がないまま、残り4周でマルク・マルケスが弟をパスし、首位に浮上。その後アレックスを引き離し、最終ラップも危なげなく走り切り、マルク・マルケスが開幕戦優勝を果たしました。2位はアレックス・マルケス、3位はバニャイアでスプリントと同じ順位でした。モルビデリが4位、我らが小椋藍がデビュー戦5位、が6位がベッチェッキ(アプリリア)、ザルコ(ホンダ)が7位。1〜7位までのライダーが全てフロントにソフトタイヤを選択していました。

マルケス兄弟は、Moto GP史上初めての兄弟1、2フィニッシュ、小椋藍はデビュー戦で5位&ドゥカティ以外で最上位と、見どころたっぷりのタイGPとなりました。

とまあこんな感じで、Moto GP初心者による「開幕戦タイGP」の模様をお届けしました。今まで見てなかった人、少しは興味持って頂けたでしょうか。自分はスーパースポーツに乗ってないからとか、カフェレーサーが好きだからとか、そんなことを超越した魅力がMoto GPにはあると思います。日本人の海外スポーツ報道は、メジャーリーグの大谷翔平(筆者も大好きです)一辺倒ですが、バイク業界には「小椋藍」がいます。小椋選手は、世界のモータースポーツ界の大谷翔平になれる逸材だと、筆者は思っていますので、今後もしっかりと応援していきましょう。またマルク・マルケス選手が今年はドゥカティワークスに乗って総合優勝を果たすのか、それともマルティンやパニャイヤがそれを阻止するのか、見どころ満載です。そして最後に、昨年は低迷していた日本勢のホンダ・ヤマハが復権して来ることを切実に願っています。この投稿を見て「Moto GP」に興味を持ってくれた方は、是非ともHulu(月間約1,000円)に契約して、世界最高の二輪レースを鑑賞して下さい。

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