2026年明けましておめでとうございます。今年も何卒よろしくお願いします。年末年始、皆様いかがお過ごしだったでしょうか?お正月は仕事している方もいるかと思いますが、お休みのデニムラバーならジーンズ履き放題!!デニムは今やファッションアイテムとして必要不可欠な存在です。そんなデニムの中でも、愛好家を中心に特に人気があるのが「大戦モデル」です。第二次世界大戦中に行われた物資統制により制限がかけられ、他とは違った仕様になったのがマニア受けしました。終戦して80年以上経過していることもあり、状態の良い本物の「大戦モデル」がほとんど残っておらず、値段は数百万から数千万円する個体もあります。一般人が到底手が出ない価格になっている訳ですが、日本のジーンズメーカーが上質な「大戦モデル」復刻し、レプリカとしてリリースしてくれています。忠実に再現されたモノや、ブランドのアレンジを加えたモノなど、デニムラバーを楽しませてくれる、Japanese Denim Brandに感謝しかありません。

そして昨年12月、「今すぐ買えるレプリカジーンズの大戦モデル5選」をポストさせて頂きました。最後の締めに、次に履きたい大戦モデルを物色していると書きましたが、ついに気になっていたブランドのモノを購入することができました。それが大阪発祥のアパレルブランド「ウエアハウス」の大戦モデルS1003XXです。今年30周年を迎えたウエアハウスは、S1003XX-LTDという限定モデルをリリースしたのですが、即完で残念ながら手に入らず。しかしながらオークションで3年ほど前に販売していた1942年仕様のS1003XX(状態の良いユーズド品)を落札することができました。ということで今回は、ウエアハウスとはどんなブランドなのか?物資統制で生まれた大戦モデルの事由、そして手にしたS1003XX(1942)のインプレッションをしていきたいと思います。
・ウエアハウスとは
ウエアハウスとは、1995年大阪で塩谷兄弟が創業した、「ヴィンテージ古着の忠実な復刻」をテーマにするアパレルブランド。デニム、ネルシャツ、スウェット、スタジャンなどのアメカジアイテムが主力となっています。
特にディテールにとことん拘ったデニムウエアは秀逸で、世界中で高く評価されています。1930〜1960年代のヴィンテージデニムを紐解き、生産された時代背景、糸、縫製、加工などを徹底的に検証しながら、現在でも着れるスタイルのジーンズを制作しています。ウエアハウスは、ヘリテージとテクノロジーの融合を時で行くアパレルブランドとして、これからもデニム界隈に君臨し続けることでしょう。

そんなウエアハウスのデニムは、大きく分けて3つのブランドから構成されています。最もベーシックなラインの「WAREHOUSE(ウエアハウス)」は、ディテールや年代にとらわれない「ジーンズとして良い」モノを追求したレーベル。一方、1920年代から1960年代のヴィンテージを踏襲したモデルをリリースしているのが「DUCK DIGGER(ダックディガー)」。そして2020年から新たに加わった「DEAD STOCK BLUE(デッドストックブルー)」は、『酸化デニム」をキーワードに、ヴィンテージのエイジングを追求したウエアハウスの最高峰ラインとなっています。
それではこれから、ウエアハウスが誇る代表的なデニムを見ていきましょう。
☆フラグシップモデル 1001XX
まずは25年以上の歴史があるウエアハウスのフラグシップモデル「1001XX」を紹介します。1930年代のバナーデニム(*)を解体し、研究を重ねて制作した13.5oz米綿の生地を採用。シルエットは腰回りにややゆとりがあり、裾にかけてテーパードしている、いわゆる47モデルです。オリジナルの鉄製ボタンと赤タブ、打ち抜きリベット、鹿革パッチなど、ヴィンテーライクなギミックが満載。レプリカジーンズ制作の原点であり至高と言われるウエアハウスの「1001XX」、レプリカ始めるならまずこの1本を選ぶべきでしょう。


(*)バナーデニムとは:リーバイスの広告用の大きな生地から取ったデニムのこと。ジーンズ1本よりも、大きい生地・長い糸から解体することができるので、よりヴィンテージに近いデニムを作ることができます。

・2ND-HAND Lot.1105 USED WASH(通称:セコハン)
濃紺デニムの状態からエイジングさせるのって面倒だと感じる人には、2nd-Hand(セコハン)がオススメです。ウエアハウスでは、アメリカで履き込まれた古着のような風合いを出した “加工デニム” をリリースしています。シルエットは1960年代のオーセンティックなテーパードジーンズで、ディテールも当時の物を踏襲。そしてレングスは日本人のゴールデンサイズ、29インチ(70センチ前後)のみの展開。腰履きしてザクっと古着テイストを楽しみたい、そんなセコハンデニムはいかがでしょうか。


・物資統制によるデニム仕様変更(大戦前・大戦・大戦後の比較)
続いてお話しするのは、ヴィンテージ古着のデニムを語るにおいて避けては通れない「大戦モデル」。ここでは、大戦モデルを産む大きなきっかけとなった “法令” について深掘りし、ウエアハウス大戦モデルと紐付けていきたいと思います。
❶物資統制の中心的組織WPB
1939年9月にナチス軍のポーランド侵攻が引き金となり、始まったと言われる第二次世界大戦。大戦が本格化してきた1942年、戦争遂行の為にWar Production Board(戦時生産局;略称WPB)は設立されました。金属・繊維・燃料・機械などを軍需優先に配分するようにと通達があり、例外なくジーンズ(作業着)も「最低限の仕様で生産せよ」と統制の対象になりました。
⑴ L-181
正式名称はLimitation Order L-181で、端的に言うと “衣料品に使う金属パーツ” を減らせという法令。ジーンズが対象になった箇所は、金属ボタン・リベット・バックル・ジッパー(禁止)でした。これにより、ボタンは月桂樹やドーナツボタンへ移行、リベットは総数10以下(バックポケット・コインポケットのリベット廃止、股リベット→カンヌキ)、リベットの素材変更(銅を用いた合金→鉄+銅メッキ)、バックルバックは消失といった仕様変更がされました。




⑵L-85
正式名称はLimitation Order L-85で、“衣料品は最低限の資源と工程” で作れといった法令でした。デザイン性・装飾性はすべて贅沢品として禁止または制限、仕様変更を余儀なくされました。この法令においてジーンズが対象になった点は、衣料品1点あたりのヤード数規定・縫製工程数の制限・装飾ディテールの禁止でした。これにより、装飾のない無骨なストレートシルエット(フレアや装飾カット禁止)になり、、スレーキの生地変更(従来のドリル生地→デニム生地やヘリンボーン生地)、飾りステッチ消失(ペンキで代用)・ポケットフラップや余分な補強もなくなりました。また縫製糸に関しては、糸を全てイエローに統一されました。


⑶その他の法令
L-68(装飾・付属の思想的抑制)やMPR-2-8(現場での具体運用ルール)といった法令も、ジーンズの仕様変更に大きく影響したと言われていますが、上述の2法令と重複しているのでここでは割愛します。
そしてリーバイスは、これらの法令により生産されたジーンズのロット番号の頭文字に「S」をつけました。また1943年以降は、生産人員の不足によって、縫製が歪(雑)になっていたり、左右非対称の個体もあるようでした。


⑷大戦終戦後・・・
1945年に世界大戦が終戦すると、規制も徐々に緩和され、本来の仕様に戻りつつありました。。しかしながら一気に変更はできなかったので、1946年モデルは大戦と従来仕様が混ざったモデルになっており、コインポケットのリベットが復活し、スレーキは従来のドリル生地に帰還。フロントボタンに関しては、前期はブランド刻印と月桂樹/ドーナツが混在、後期はブランド刻印に切り替わったとされています。また縫製糸は黄色とオレンジが混在、これは通称”レインボーステッチ”と言われています。
1947年になると、リベットとの素材が銅を含む合金に戻り、飾りステッチが復活。縫製糸は、オレンジもあれば黄色もあるといった仕様です。一方復活しなかったのが股リベット、バックルバックで、1947年以降見られなくなりました。そして出来上がった1947モデルは、ヴィンテージジーンズの歴史におけるジーンズの完成系と言われています。
そういった大戦前→大戦→大戦後の仕様変更を、ウエアハウスのモデルに準えて、下記の表にまとめてみました。
| 箇所/年代 | 1937-1941 | 1942 | 1943-1945 | 1946 | 1947 |
| WAREHOUSE | 1003XX | S1003XX | S1003XX-LTD | 1000XX | 1001XX |
| バックルバック | アリ | ナシ | ナシ | ナシ | ナシ |
| リベットの数 | 12個以上 | 10個以下 | 10個以下 | 12個以上 | 12個以上 |
| 飾りステッチ | アリ | ナシ(ペンキ等) | ナシ(ペンキ等) | アリ | アリ |
| リベット素材 | 銅を含む合金 | 鉄+銅メッキ | 鉄+銅メッキ | 銅を含む合金 | 銅を含む合金 |
| 股ベット | アリ | アリ | ナシ(カンヌキ) | ナシ(カンヌキ) | ナシ(カンヌキ) |
| フロントボタン | ブランド刻印 | ブランド刻印 | 月桂樹/ドーナツ | ブランド刻印/月桂樹&ドーナツ | ブランド刻印 |
| スレーキの生地 | ドリル | デニム | ヘリンボーン/ネル | ドリル | ドリル |
| 縫製糸 | Orange | Orange or Yellow | All Yellow | Yellow+Orange | Orange |
| 縫製の仕方 | 丁寧 | 雑 | 雑 | 丁寧 | 丁寧 |
ここまで大戦前〜大戦前後まで忠実に再現しているブランドは、ウエアハウスくらいではないしょうか。しかしながら、上表の記述は、あくまで推測的な要素もあるので、そこはご了承下さい。
⬇️ウエアハウスのデニム始めるならまず選びたい1947モデル「1001XX」
・手に入れたS1003XX(1942)のインプレッション
昨年2025年、ウエアハウスは創業30年を迎えました、それを記念して、大戦モデルS1003XX-LTDを限定生産&販売。かなり人気が高く、バックオーダーも多くて初めのモデルW33・34は即完売。33/34は筆者にぴったりなサイズなのですが・・・乗り遅れました。まだネットで探してはいるのですが、値段が高騰しています。それでもウエアハウスの大戦を履き込みたいという思いは強く、過去のモデルを物色。そんな中、3年ほど前に販売されていたS1003XX(1942)を見つけ、オークションで落札しました。これで晴れて、ウエアハウス大戦ユーザーになれました!!

それではここから、手に入れたS1003XX(1942)の仕様を、細かくみていきたいと思います。といっても前章でまとめた1942年モデル通りの仕様なのですが・・・(笑)。大戦モデル初期らしく、月桂樹・ドーナツボタンではなくブランド刻印、それに加えて股リベットが残っているのが、「大戦初期」を感じさせてくれます。そしてバックポケットは、飾りステッチに代わりにうすーく「赤ペンキ」、スレーキはデニム生地。1943〜1945ほどの派手さはありませんが、大戦好きとしては素晴らく渋い仕様ですね。


生地は13.5ozのセルビッチデニム、そしてシルエットは大戦にしては少しテーパードが掛かった細めです。筆者の所有しているフェローズ大戦の極太仕様と比べると、対極な感じです。勿論オークションで購入したW33のUSEDなので、ウオッシュ済。寸法はウエスト850股上310股下780裾幅217(mm)、履いてみると自分の体型にシンデレラフィットでした。TCB50sと比べてもちょっと細い感じがして、これは履き込むと非常に良い経年変化しそうで楽しみです。


そして毎回恒例の、「糊付けの儀」も行いました。前面は腿周り、背面は膝辺りにのみ糊付けして、自然乾燥します。このひと手間が、後に素晴らしいエイジングを産むと私的には考えております。


↓ジーンズの糊付け方法の投稿↓
・まとめ
ということで2026年一発目、「ウエアハウスの大戦モデルS1003XX(1942)を購入&物資統制を学ぼう」をポストしました。冒頭はウエアハウスについて、中盤は物資統制から学ぶ大戦モデルの変遷を掘り下げてみました。このようにぼんやりとは知っているけど、詳細はわからないことを学んでいくのは、非常に面白いと感じましたね。そして昨年12月からずっと探していたウエアハウスの大戦モデル「S1003XX」、マニア受けしそうな大戦初期1942年仕様をゲットし、インプレッションさせて頂きました。2026年1月中旬現在、かこれこれ2週間くらい履き続けていますが、もうすでに馴染んできております。これは素晴らしいエイジングが期待できるのではと、今からワクワクです。そして半年後くらい、にエイジング報告しようと考えております。ついに始まった2026年、目標立ててもできなそうなので、やらない事にしました。そんなゆるい感じですが、今年もYone Logを何卒よろしくお願いします。
PS. 今まで当ブログは名前を「Yone Log for Motorcycle and Leather」でやってきましたが、デニム・車・音楽とコンテンツが増えてきた為、改名することにしました。新しい名前は「Yone Log for highly addictive items」、Yone Log for “中毒性の高いモノ達” という意味です。今後もニッチではありますが、中毒性の高いバイク・車・レザー・デニム・音楽に対する事由を届けていきたいと思っております。
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