レザーラバーの皆様、いよいよ待ちに待った春がやってきましたねー。例年より暖かいこともあり、革ジャン最適シーズンが3月に到来しています。筆者も例の如く革ジャンを引っ張り出し、レザーライフを楽しんでいます。大好きな革ジャンを早く着れることは嬉しいのですが、久しぶりに対面するレザーたちを前に思うことがあります。「うーん、中々エイジングが進まないなぁ」とか「久しぶりに着る革ジャン、こんな硬いの?」等々。そうなんです、たまにしか着ないレザーのエイジングは進みません。そして革は着ないと硬くなります。革の財布・ベルト・ブーツなど、春夏秋冬問わず使えるアイテムは良いのですが、革ジャンは寒い冬と暑い夏は正直着ません、いや苦行すぎて着れませんよね。特に “革ジャン多頭飼いリーマン” の方々は、スーツも着ないといけないし、毎日毎週全ての革ジャンに袖を通すことはもはや不可能です。それでもピンピンのウブい革ジャンは嫌だし、もっとエイジングさせたいと思っているのではないでしょうか。ということで今回は、「革ジャンの強制エイジングDIYについて」と銘打って、自分なりに試してきたこと、これはやって良かったことを中心に、ポストしてみました。こんなに安く強制エイジングできるの?といった裏技も紹介していきますので、ぜひ読み進めて下さい。

⤴️左から天神ワークス、Y2レザー、ファウンテンヘッドレザー(全てベジタブルタンニン鞣し)
・久しぶりの革ジャンはなぜ硬い・・・?
冒頭にも書きましたが、久しぶりに革ジャンを羽織るとまあ硬いですよねー。それは革の「乾燥」「油分不足」そして「繊維の固着」が原因です。天然皮革を使用している革ジャンは、乾燥している(湿度が低い)冬の期間、特に水分や油分が抜けていきやすい傾向にあります。まずは、筆者オススメのメンテナンス製品を使って革をケアしてあげましょう。
*マスタングペースト:熊本県産の馬油を使用、これ一本で革を保湿し、油分を入れることができます。
*コロンブス・レザークリーン:リキッドタイプで使いやすく、これ一本で革ジャンの汚れ落としから保湿・ツヤ出し可
上記のケア用品をシーズン前に使用すれば、乾燥や油分不足を解消することができます。続いて「革が固着している」原因ですが、これは着ていない(伸ばしていない)事に他なりません。動物の革を使って作られている革ジャンは、しばらく着てやれば繊維の固着(つまり)が改善されてきます。という当たり前のポストで申し訳ありませんが、Let’s wear “革ジャン” ASAP!!
・革ジャンをもっと柔らかくするには
“革ジャンを着れば柔らかくなる” というのは周知の事実なのですが、それは革の種類によって変わってきます。シープ(羊)・ゴート(山羊)・ディア(鹿)などの元来柔らかい革は着れば問題なく柔らかくなっていきます。しかしながら、ホース(馬)&カウ(牛)の革ジャンは一筋縄ではいきません。着ても着ても一向に柔らかくならない、そんな革ジャンもいます。うちにある中で一番強固な硬さを誇っているのが、新喜皮革の馬革を使った「ファウンテンヘッドレザーのBeta」。超絶な硬さを誇っていたBetaに、以下のメンテナンス製品を使ってから着ることによって、だいぶ柔らかくなってきました。
⬇️1930年代のレザートグスを踏襲した激渋なダブルライダースなのですが、如何せん革が硬すぎです・・・

*ミンクオイル:コロンブスと言えば、ミンクオイルを想像するくらい有名なレザーケア用品です。靴だけでなく、革ジャンにも使えます。革に潤いを与えるだけでなく、柔らかくしてくれるのが特徴です。
*自分もまだ使ったことがないのですが、ミンクオイルのリキッドタイプが最近販売されているようです
*ミズノ・ストロングオイル:ミンクオイルを使ってもあんまり革ジャン柔らかくならないんだよねーと思う方には、ぜひこれを使ってみて欲しいです。スポーツメーカーのミズノが、野球グローブ用に販売しているのがこの「ストロングオイル」。これを硬いと感じる部分に塗って革ジャンを着れば、どんどん柔らかくなります。しかも1つ600円とかなりリーズナブル。ぜひ試してみて下さい。
・革ジャン強制エイジングDIY3選
さてここからが今回の本題「革ジャンの強制エイジングDIY」の紹介です。
革ジャンを柔らかくすることより、数段ハードルが高い「強制エイジング」。革の種類や着る頻度にも寄るのですが、満足いくエイジングを得るのにおそらく数年間はかかるでしょう。もちろん革ジャンは長年かけて着続けて、経年変化をゆっくりと楽しむのが正攻法です。ですが一方「ATSU LEATHER WORKS」のように手作業でエイジングを加える手法、革ジャンメーカー「ストラム」の “バーニングダイ” のようにレザーを焼いてエイジングさせる方法など、強制的にやる場合もあります。彼らはプロ(もしくはアーティスト)として「革ジャンの強制エイジング」させており、そこに一定の需要もあります。エイジング=TimeをCostに変えているわけですね。しかしながら、素晴らしくエイジングされた革ジャンは高額でとても手がでない、でもエイジングを進ませたいという考えも一考です。そういった声に応えるべく、今回「革ジャン強制エイジングDIY」のポストを立てることにしました。自分でエイジングすることでコストを抑え、最大限エイジングを楽しめたらと思っています。しかしながら、革ジャンによってもエイジングの出方は違うので、あくまで参考&自己責任にということでお願いします。
❶革シャン&乾燥機
まずは革ジャン強制エイジング・エピローグからいきます。この方法は、新品や新し目の革ジャンに有効です。まずはお風呂場に行って、真っ裸になります。次に革ジャンを羽織って、そのままシャワーを浴びましょう。温度帯はぬるま湯が理想です。革ジャンが濡れてヒタヒタになってきたら、動いたり伸ばしたりして下さい。5〜10分くらいしたら革ジャンを脱いで、普通にシャワーを浴びて、第一段階終了。
次に濡れた革ジャンをハンガー等にかけて水を下に落とし、乾いたタオルで残った水分を拭き取って下さい。
洗濯機に入れて脱水10分、その後 “乾燥機” に入れてじっくり乾かせて下さい。ただし、革ジャンが少しでも縮むのが怖いと思うなら、自然乾燥をオススメします。
この「革シャン」をすることにより革が伸びて体にフィットし、エイジングしやすくなります。また脱水&乾燥機をかけることで、革の表面に小さなキズをつけることができるので、これが経年変化に繋がってくる訳です。ですが、革ジャンメーカーはシミになりやすいなど推奨はしていないので、あくまで自己責任でお願いします。


⤴️AIさんに描いてもらった革シャン&洗濯(手洗い)のイメージ画像
❷革ジャンを日光浴させる
続いて紹介するのが、「革ジャン日光浴」です。この方法に向いているのは、ベジタブルタンニン鞣しの革ジャンで、クロム鞣しのモノは色が褪せてしまうのでNGです。日光浴は革ジャンの殺菌や防カビ効果もありますが、タンニンが紫外線に反応して色に深みが増します。但し、革ジャンを日光浴させる際は、下記に留意すること。
・日差しが強い日&場所は避ける
・照射時間は2〜3時間推奨、長時間は避ける
・日光照射後のケア:乾燥してしまうので、前章で紹介したケア用品で油分を入れる
以上の3点に注意すれば、殺菌・防カビ効果に加えてエイジングも得られるので、ぜひ試してみて下さい。

❸100均アイテム「メラミンスポンジ」を革ジャンに使う
最後に紹介するのは、100円均一のアイテムを使って強制エイジングさせる方法です。そのアイテムとは、なんと「メラミンスポンジ」。筆者が使っているのは、”激落ちくん” というネーミングで有名なレック社のモノで、本来はシンクやお風呂などを磨く樹脂製の研磨剤です。そんなメラミンスポンジを、乾いた状態の革ジャンのエイジングさせたい箇所にゴシゴシ擦り付けて下さい。何回も擦っていると、白いスポンジが革の色になり、徐々に革ジャン表面の顔料(染料)が削れてきます。メラミンスポンジがボロボロになってきたら、次のモノに交換して繰り返し行います。大変地味な作業ですが、経年変化が進んでいくと嬉しくなってついつい時間を忘れます。エイジングの進み具合は革の種類や革質によるところはありますが、ベジタブルタンニン鞣しの革ジャンなら変化することでしょう。(クロム鞣しのルイスは擦ってもほとんど変化なし)

筆者が手持ちの革ジャンの中で、最も顕著に変化が現れたのが、「Y2レザーのGジャン1stタイプ」。ベジタブルタンニン鞣しされた馬革にインディゴ染めを施した珍しい革ジャンですが、まるでデニムのGジャンのように経年変化しました。中古品を購入して約2年、全然エイジングしなかったのが嘘のように、良い感じに仕上がりました。そんなY2レザーのBefore&Afterは下記の通り。
<Before>


<After>




写真でもBefore・Afterの違いがわかると思います。メラニンスポンジで何回も擦ることによって、革の染料が剥がれ、パッカリングがいい感じに浮き上がってきました。この手法は、新品やウブい状態ではなく、ある程度革ジャンを着込んでから施工した方が良いエイジングを見せてくれる気がします。まるでデニムのGジャンのような風合いが出て、本当に挑戦してよかったです。ちなみに筆者が持っているTCBジーンズのセカンドタイプの色落ち(1年半着用時)は、こんな感じです⬇️


腕のジャバラだけはなかなか強制エイジングできないのですが、センタープリーツや縫製箇所は、デニムエイジングそのものって感じがしますよね?恐るべしY2レザーのモノ作り!!メラニン施工を終えた後は、革がカサカサになるので、オイルアップはしっかりと行なって下さい。
そして、前章で屈強な硬さを誇ると言っていた「ファンテンヘッドレザーBeta」にも施工してみました。Y2ほどではないですが、縫製のところなどは少し茶芯が見えていい感じになりました。でも写真では分かりにくいので、もう少し根気よくメラニン施工してみようと思っています。




・「革ジャンの強制エイジングDIY」について思うこと
というわけで今回は、これからの革ジャンシーズンを鑑みて、革ジャンを柔らかくすることから、革ジャン強制エイジングDIYまでをポストしてみました。しばらく着ないと硬くなってしまう革ジャン、着てるけど一向に柔らかくならない革ジャン、本当に革ジャンは難しい衣装です。そしてエイジングするまでに数年間着続けてないといけない革ジャン、そんな手間と時間を解決したいと思い、筆者は色々調べたり試行錯誤していました。色々試してみた結果、これはいける、これは使えるといったアイテムや手法を見つけることができました。但しあくまで、筆者が所有している革ジャンでうまくいったので、全ての革ジャンに向くかといえばそれは分かりません。事実、クロム鞣しのルイスレザーズ・サイクロン(馬革)には、強制エイジングはうまくいきませんでした。また強制エイジングすることによって、シミが残ってしまったり、形が変わってしまうこともあるかもしれません。その辺は自己責任で、お楽しみ下さい。こんな手間のかかる革ジャンですが、柔らかくしたりエイジングさせたりすることで、自分しか持っていない唯一無二の鎧(衣装)を手にすることができます。そんな尊いあなただけの革ジャンとともに、より良いレザーライフを過ごせてもらえたら、嬉しいです。ここまで、ご購読ありがとうございました。

