BMW・R100カフェレーサーが4台集結したら・・・

前の投稿に引き続き、カフェレーサーのお話になります。筆者が所有しているカフェレーサーは、1981年式のBMW・R100カスタム。元々は、カウルがついたR100RTというツアラーバイクです。バイクで走っていると、稀にイケている叔父様が運転するノーマルのR100RSやRTを見かけます。しかしR100のカフェレーサーカスタム車となると、ほとんど遭遇することはありません。しかし今回、地元のバイク仲間の呼びかけで、なんとR100のカスタム車が4台集まりました。そんな激レアなBMW・R100Rカフェレーサー乗り同士の話は尽きません。関西にてプチミーティングからのツーリングを、存分に堪能してきました。そんな至福な時を過ごせたということで、今回はその模様をポストしていきたいと思います。題して、「BMW・R100カフェレーサーが4台集結したら・・・」。少々マニアックなお話になりますが、外車好きやカフェ好きの方は是非ご購読下さい。

往年のBMWといえばこのモデルを想像するくらい、BMWモーターサイクルの代名詞となっていたR100RSとR100RT。R100RSの前期モデルは1976〜1984年まで発売されました。BMW量産車としては、初のフルカウル&キャストホイル仕様。アウトバーン(ドイツの速度制限無しの高速道路)をストレスなく走れる大型ツアラーバイクとして、リリースされたと言われています。そんなR100RSの持つツアラー性能を、より高めることを目的に開発されたのがR100RT。調整式スクリーン、ベンチレーション、グリップヒーターなどが加えられ、前期モデルは1978〜1984年まで販売されました。RSとRTの違いは外装だけで、エンジン等の中身は同じです。

↓(左)R100RSの前期 (右)R100RTの前期(Virgin BMWのページより引用)

後期のR100RSは、前期終売から約3年後の1986年から1990年まで販売されました。そしてR100RSより快適性を重視した後期のR100RTは、1987年から1995年まで販売されました。前期からの変更点は沢山あるのですが、主な箇所を下記の表にまとめてみました。目に見えて変わった所は、最高出力が10馬力減少、Fタイヤの18インチ化、Rブレーキのドラム化、ツインサスがモノサスになったことでしょうか。筆者は乗り比べたことはないのですが、前期に比べて後期の方が味付けがマイルドになっているようです。

項目 前期後期
エンジン空冷4サイクル水平対向2気筒OHV空冷4サイクル水平対向2気筒OHV
排気量980cc980cc
最高出力・最大トルク70ps / 7,250rpm、7.7kg・m/ 5,500rpm60ps / 6,500rpm、7.5kg・m/ 3,500rpm
変速機リターン式・5段変速リターン式・5段変速
乾燥重量R100RS: 210kg、R100RT: 217kgR100RS: 228kg、R100RT: 229kg
タイヤサイズF: 90/19インチ、R: 120/18インチF: 90/18インチ、R: 120/18インチ
ブレーキシステムF:ディスク、R:ディスクF:ディスク、R:ドラム
リアサスツインサスモノサス

↓(左)R100RSの後期 (右)R100RTの後期(Virgin BMWのページより引用)

日本では旧車BMWといえばR100RSというくらい人気があるのですが、世界的に見るとR100RTの方が販売台数が断然多いようですね。特にヨーロッパでは、沢山の国を移動するバイクとしてBMWが選ばれることが多いので、高速巡行性に加えて快適性が求められた結果だと思われます。

そんな快適性が求められたR100シリーズは、ここ近年、国内外カスタムビルダー達によって全く違うバイクに生まれ変わることになります。主なカスタムの内容は、カウルなどを取り払ってスカチューンすることです。そこからオーナーさんの意向に沿って、カフェレーサーやスクランブラー仕様になっていきます。なぜBMWが選ばれるかと言うと、ビルダーさん曰くトライアンフやドゥカティよりもBMWの方がパーツも多くカスタムしやすいとの事。そしてカスタムしたカフェやスクランブラーの車体に、左右に大きく張り出した水平対向エンジンの迫力が相まって、唯一無二のモーターサイクルに変貌することも大きな要因でしょう。

46WorksさんのR100カスタム制作動画

海外バイクにおいて日本国内にダントツに多いのがハーレーのビルダーですが、BMWを扱う職人さんもチラホラいます。当ブログでも何度か紹介しておりますが、日本には46WorksリトモセレーノMotor ForceなどBMWを得意とするカスタムショップがいくつかあります。筆者も46Worksの中嶋さんが作るバイクに憧れて、R100のカフェレーサーに乗りたいと思ったくらいです。

↓今回参加してくれたR100も出演しているMotor Force by YUさんの動画

そして先日ポストした鉄馬レース観戦の回でも書きましたが、1970〜1990年代の旧車がサーキットを走っている姿に感動を覚えます。近い将来、時間を作ってレジェンドオブクラシック(LOC)やテイストオブツクバなど、フルチューンした旧車達が沢山走っているレースを見にきたいですね。

↓鉄馬レース観戦の投稿

ここからようやく今回の本題に入っていきます。今回は短い滞在期間でしたが、関西のバイク仲間にツーリングしようと話を持ちかけたところ、中部地方のR100乗りに声をかけてくれました。SNSで繋がっている人もいたのですが、私を除いて3台ものBMW・R100が集まってくれました。待ち合わせ場所は日曜日午前の針テラス、私はトランポにバイクを積んで向かいました。針テラスに車を止めバイクを降ろしていると、バイク仲間が到着。バイクを降ろして友人達と話をしていると、BMW空冷ツイン複数台の心地よいサウンドが聞こえて来ました。

そして針テラスのバイク駐車場にR100カフェレーサーが4台集結。1台でも目立つR100カスタム車が4台もいて、周りのライダーさん達から見ると異様な光景だったと思います。そこからしばらくは、各自のバイクを舐めるように見ながらの(笑)針テラス恒例の駐車場ミーティングがスタート。岐阜のMotor Forceさんが作ったカフェが2台、愛媛のToresol Motoさんが作ったカフェが1台、そしてヤフオクで購入した筆者のバイクというラインナップ。2つのバイクショップのSNSはよく見ているのですが、やっぱり実車の方が数段カッコよくて迫力がありますね。オーナーさん達とは初対面にも関わらず、全く人見知りが発動しません。これもR100の存在があってこそです。付き合ってくれたトライアンフ&カワサキ乗りのバイク仲間には、素直に感謝です。

一通りバイク談義が終わったところで、ランチに向かいました。針テラスから目と鼻の先にある、ライトニングボルト。初めて訪れましたが、雰囲気も良くてカレーが美味しいお店でした。そこでも待ち時間から食事時まで、楽しくて刺激的なBMW談義が続きます。カスタムベース車として優れているR100だからこそ、四車四用の作り方があり、それぞれが最高にCoolなバイクに仕上がっていました。抹茶色のR100に乗るOさんは、まだまだカスタムを敢行していくとの事。すでに完成度が高いバイクですが、今後さらに進化した姿を見るのが楽しみです。

R100 4台に加えて、トライアンフの旧車ボンネビル、最新のストトリ2台、カワサキW800の総勢8台でマスツーがスタート。まずは奈良の針を出発して、名阪国道に入ります。次のICで名阪を降りて、側道へ。通称「奈良ニュル」と言われる、まっすぐなアップダウンを繰り返す道が続きます。その後気持ちの良いワインディングを走り、次の目的地である京都府山城町の「カフェ・セブン」に到着。ここではR100 4台並べて記念撮影しました。筆者のR100は、他の3台に比べ車高が高くレース仕様になっているのが分かりました。ブロックタイヤ仕様の2台は、よりワイルドなカフェに仕上がっていました。こうやって他のカスタムを見ていると、参考になるばかりでなく、カスタム欲が掻き立てられます。そして今、筆者はシートやステップを作りたくなっています。

カフェセブンでコーヒーを飲んだ後、道の駅やましろ村へ移動。今度はR100 3台の走っている姿を見たくて、最後尾を走りました。止まっていても走っていても絵になる、BMW・R100カフェは珠玉のバイクです。程なくして道の駅に到着し、他のR100に跨らせてもらったり、ビンテージ・トライアンフのキックを見たり、ここでも楽しい時間が流れていました。R100に負けず劣らず、旧車トライアンフもCoolでした。そして愛知・岐阜方面から来ているR100 3台は帰路に着くべく、ここでお別れとなりました。また本州か九州で一緒に走りましょうという約束を交わして、BMW・R100 ミーティング&プチツーリングは終幕となりました。

↓今回参加してくれたU氏のR100紹介動画(by Motor Force)↓

というわけで今回は、「BMW・R100の仕様と歴史」、「ビルダーが作るR100カスタム」、そして「R100カフェレーサー4台集結したら・・・」の3話でお送りしました。本題に入るまで色々書きましたが、改めてノーマルでもR100は素晴らしいバイクだと実感。そしてそのR100がカスタムビルダーの手によって、さらにCoolなカフェレーサーに変貌します。R100が4台集まってみて、ただバイクがカッコいいだけでなく、オーナーさん達のR100愛が伝わってきました。1年目こそ故障に悩まされた筆者のR100ですが、今後も乗り続けていこうと強く思いました。そして集まってくれたR100オーナーの方々、関西のバイク仲間達にBig Kansyaです。

今度は九州でR100のカスタム車を集めて、ミーティングやツーリングができたらいいなぁと妄想しています。阿蘇を颯爽と走るR100カフェレーサーの集団、絵になること間違いなしです。参加してくれる方、よろしくお願いします。

最後に、このツーリングにご一緒してくれた友人のMitioさんがYoutube動画を作ってくれました。カッコよくて面白いので、是非視聴して下さい↓

合わせて読んで欲しいカフェレーサーMTGの投稿↓

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