レザーラバーの皆様、今日もレザーエイジングに勤しんでいますでしょうか?どうも、レザー沼にどっぷりな管理人のYoneです。 ”レザーエイジング” という言葉を世に知らしめた立役者的ブランドが、「天神ワークス」と言われています。ちなみに博多の天神ではなく、東京・千住発祥のレザーブランドです。昨年より、革にハマればハマるほど、天神ワークスのレザーアイテムが気になっていました。そしていつかは自分も天神ワークスの製品を手に入れたいと思っていましたが、この度ようやく念願が叶いました。ということで今回は、そんな天神ワークスの魅力からレザーエイジングの話、そして手に入れた革ジャンとウォレットのインプレッションなど、革の話盛り沢山でお届けしたいと思います。
・天神ワークスとは?
2006年、東京都足立区千住に代表の高木氏が「天神ワークス」を設立。アメリカヘリテイジを中心にヌメ革で新たなプロダクトを再構築しながらも、その根底には「使うほど、着るほどに美しく変化するレザーエイジング」への拘りをモノづくりに転化させ続けているレザーブランドです。天神ワークスが考えるエイジングとは、時を重ねてなお輝きを増すプロダクト達。使い込まれ、人に寄り添うほどに、たった一つの温度感が育まれていく感動を覚えます。レザープロダクトに真摯に向き合い、使い込まれた後のエイジングとは何かを追求しています。「Old is Gold」…その旅路はそのつくりと共に継承されていきます。(天神ワークスのHPより抜粋)
*ヌメ革
天神ワークスを語る上で欠かせないのは、何と言っても “ヌメ革” の存在です。簡単に言うとヌメ革とは、ベジタブルタンニンで鞣され、着色や表面加工などの仕上げを行わない革のことです。別名タンカラーとも呼ばれ、染色をしていない肌色の革を指します。肌色であることから、通称「キン消し色」とも言われています。
↓この色がヌメ革です(天神ワークスのHPより)
天神ワークスは全ての商品にヌメ革をラインナップしており、エンジングに最適な革として人気を博しています。
*栃木レザー
天神ワークスを語る上でもう一つ欠かせないのが「栃木レザー」の存在です。天神ワークスのプロダクトは、日本で最も有名な牛ヌメ革のタンナーである栃木レザーで作られています。栃木レザーは国内でも希少な、ベジタブルタンニン鞣し専門のレザーファクトリー。
ミモザのタンニンを数十年継ぎ足しながら、濃度の薄い槽から順番に約30日掛けて鞣し上げていきます。ここで弾力性に富みながらも腐敗しにくい革にしていきます。その後水洗いをし、オイルで油分を浸透させます。そして、最後にオイルが入って柔らかくなった革を伸ばし約10日干して乾かし、終わりとなります。タンニン鞣しは非常に手間がかかるうえ、時間も要するので、クロム鞣しと比較すると国内では採用する企業が少なくなっています。しかし、職人の手によってじっくり時間をかけて作られるその革製品は耐久性と伸縮性に優れ、またタンニン鞣しならではの革の色合いや質感、表情の変化といった経年変化を楽しめるものとして人気があります。
手間と時間をかけて職人さんが作り上げた栃木レザーのおかげで、天神ワークスのプロダクトは、独特のエイジングが楽しめるという訳ですね。次章よりエイジングについて触れていきたいと思います。
・レザーエイジングとは?
当ブログでも幾度となく言ってきたレザーエイジングとは、日本語で言うと「革の経年変化」のこと。革製品を使用することによって、レザー自体の色・雰囲気などが変化します。また革は、使えば使うほど硬かった革が柔らかくなります。そんな革の変化を楽しむと言うことが、レザーエイジングの醍醐味です。
革の鞣し方は、クロム鞣し、ベジタブルタンニン鞣し、そしてその両方を施すコンビ鞣しがあります。クロム鞣しは、革が変化しないように編み出された鞣し方なので、エイジングしにくいとされています。対して昔ながらの手法である植物由来のベジタブルタンニン鞣しは、まるで革がまだ生きているかのような変化を見せます。もしレザーエイジングを楽しみたいなら、ベジタブルタンニン鞣しの製品を選んでみて下さい。使い込めは、貴方だけのレザーに育っていき、きっと愛着が湧いてくることでしょう。
クロム鞣しとベジタブルタンニン鞣しの特徴をまとめてみたので、参考にして下さい。
特性 | ベジタブルタンニン鞣し | クロム鞣し |
エイジング | しやすい | しにくい |
個体差による個性 | 強い(トラやキズ) | 均一(ほぼない) |
色ムラ | 稀にある | ほぼない |
色彩 | 染料により染色が多い | 顔料による染色が多い |
耐水性 | 弱い | 強い |
伸縮性 | 低い | 高い |
生産コスト | 高い(時間を要する) | 低い(短時間でできる) |
↑ロングウォレットが肌色の状態から見事なアメ色にエイジングしています。
・A-1グランプリについて
最後にもう一つ、天神ワークスを語る上で欠かせないイベントが「A-1グランプリ」。2009年より始まった天神ワークスが主催するこのイベントは、レザーエイジングの美はなんたるかをテーマとしたコンテストです。
時間、人、モノの融合から 各々のレザーエイジングストーリーが生まれます。毎年来場した人々を魅了する作品群が並ぶ空間で、プロダクツが生む表現、創造の視覚的効果も 「A-1グランプリ」というアートプロジェクトの一環です。
天神ワークス製のレザープロダクツをお持ちの方は誰でも、 A-1グランプリに参加することができます。毎年、レザーウォレット大会とレザーウェア大会を交互に行っていて今年で15年目。
各地域で予選を突破したレザー達は、12月の雑誌Lightningが主催する稲妻フェスティバルにて、頂上決戦が行われます。
優勝者には上の写真にあるチャンピオンベルトと、天神ワークスのレザーオーダー券が送られます。私もいつかこのA-1グランプリに出品してみたいと考えています。その為には、まず天神ワークスの革ジャンとウォレットをゲットする必要があります。
・天神ワークスの革ジャンをGET
昨年ルイスレザーズを注文し、ファインクリークのディアレオンとファウンテンヘッドのベータを手に入れた管理人。もう革ジャンはいらないでしょう?と思うのですが、私の物欲は止まる事を知りません(汗)そして次は天神ワークスの革ジャンが欲しいと思っていたところ、某YahooオークションにJS01・ブラック・40サイズの出品を発見。JS01はシンプルなジッパーのスポーツジャケットタイプで、中古ですが非常に状態が良さそうに見えました。オークション終了間際になっても入札がないので、試しにポチッと押してみました。そしてそのままオークション終了し、天神ワークスの革ジャンをGETすることができました!安くはなかったですが、全く後悔はありません。革の値段は上がっているので、購入した日が最安値ですよ(笑)。
オークションから2日後、丁寧に梱包されたJS01が到着。着用感はありますが非常に状態が良く、いい買い物ができました。早速着用してみると、牛革とは思えない柔らかさと着心地の良さに正直驚きました。これはディア?シープ?と間違えるくらい質感が良く、いい意味で牛革の概念を覆されました。天神ワークス40のサイズ感ですが、身長177cm体重75kgの筆者にはピッタリでした。
現在、2年後のA-1グランプリ出場を目指すべく、できるだけこの革ジャンを着込んでいます。アーム部分はシワがいい感じに入ってきて、身体にどんどんフィットしていくのがわかります。茶芯が出できたらさらにカッコよくなるのだろうなぁと思いながら、JS01のエイジングを楽しんでいます。
・天神ワークスのウォレット
*天神ワークスのPOPーUPイベントで注文
天神ワークスは東京の本店以外、商品がお店に並んでいることはありません。代表の高木氏やスタッフさんが、天神ワークスのプロダクトと共に全国行脚してPOP-UPイベントを行い、受注生産しています。昨年12月、熊本のRevolutionにて天神ワークスのPOP-UPイベントがありました。天神ワークスの商品を見れるチャンスだと思い、Revolutionまで足を運びました。
代表の高木さんに説明してもらいながら、革ジャン、革パン、レザーベスト、バック、ウォレットなど天神ワークスのプロダクトを一通り見て、試着することができました。特にキップレザーを使った革ジャンやベストは、牛革とは思えない柔らかさと質感でした。そんな中、一番目を引いたのは天神ワークスのウォレット。実はベジタブルタンニン鞣しのレザーウォレットが欲しいと思っていたのです。
天神ワークスのウォレットはロング、スクウエア、ショートの3種類から選べます。私は最近コンパクトな財布を好んでいることから、ショートを選択しました。ショートの中でもパターン違いがありましたが、その中から2つ折り・ベルトなしコイン入れ付きのモノに決めました。続いてカラーを6色の名からどれにするか、迷うところです。天神ワークスといえばヌメ革(肌色)する人が多いようですが、自分はBMWタンク色に近いブルーにしました。そこにウォレットチェーンホルダーをつけて、カスタムオーダーしました。出来上がるまで3、4ヶ月要するようですが、楽しみに待ちたいですね。
*天神ワークスのウォレットが着弾
そして約3ヶ月後の3月某日、天神ワークスから小包が届きました。待ってましたとばかり、開封の儀を行います。天神ワークスのボックスの中には、ブルーの財布とメッセージカードが入っていました。鮮やかなブルーの財布は、思っていたよりずっと革が肉厚で存在感があります。正直言うとジーンズの後ろポケットに入れて使おうと思っていたのですが、財布が分厚すぎて収まりきらない感じです。それだけ重厚な栃木レーザーを使っているということなのですが、他のレザーブランドにはないエレガントさを感じました。そして水色でも青色でもない、気品のあるブルーがいい感じです。果たしてこのブルーウォレットがどんな時を刻み、エイジングしていくか楽しみでなりません。
後日、ネットでインセプションのウォレットチェーンを購入し、天神ワークスの財布につけてみました。ブラスのゴールドチェーンにブルーのウォレットがマッチしています。(↓ちょっと使っていたらいい感じに財布に傷がついてきました)
・まとめ:天神ワークスのプロダクトを手にして思うこと
と言うことで今回は、レザーエイジングの雄 “天神ワークス” の魅力を語り、手に入れた革ジャン&ウォレットをインプレッションさせて頂きました。天神ワークスのプロダクトは、無骨なレザーとは対極にある “上品な革の芸術品” という印象です。手に入れた革ジャンを見ていると、早くエイジングして欲しいのでついつい他の革ジャンよりも着る頻度が増えてしまいます。同時に堅牢なイメージの牛革製であるはずなのに、ファインクリークのディアスキンのような、着やすいまた着たいと思わせてくれるレザージャケットでした。ウォレットはまだ届いたばかりですが、これから一軍の財布として活躍してくれることでしょう。1年後か2年後、A-1グランプリに出品できるようにガンガン使っていきたいと思っています。また近年レザー注文してから1年待ち以上というブランドが増えている中、天神ワークスは革ジャンは6ヶ月、ウォレットは3〜4ヶ月と比較的仕上がりが早いです。私のような少々せっかちなレザーラバーには嬉しい「天神ワークス」、選んで間違いないブランドです。
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