今年もMoto GPを観戦しよう 〜3/8から第1戦カタールGP

今年も早2ヶ月が経過し、3月が始まりましたね。今月は卒業式や異動のシーズンですが、バイク界にとっては始まりの季節。そうです、Moto Gp2024が3月8日のカタールGPより開幕します(決勝は3月10日です)。筆者はバイクに乗り始めて3年以上が経過しましたが、Moto Gp視聴暦はわずか1年です。つまり去年から見始めたのですが、何故もっと早くから見なかったのだろうと後悔するくらい、ハマりました。特に自身がドゥカティのSSバイクを所有し、サーキット走行会に参加するようになったのが大きな理由だと思います。それを差し引いても、Moto GPはスリリングな展開に引き込まれます。世界最高峰のマシン同士のバトル、圧倒的なスピード、GPライダーの驚愕テクニックなど楽しめること間違いなしです。ということで今回は、開幕を今週末に控えたMoto GP2024について、初心者ならではの展望を交えながら見ていきたいと思います。なにぶんMoto GP初心者なので、生粋のMoto GPフリークさん向けというよりは、今年からMoto GPを見てみようという人向けになるかと思いますが、どうかご了承下さい。

・Moto GPとは?

昨年4月にポストした内容とも被るのですが、まずはMoto GPについて少し説明しておきます。

Moto GP(ロードレース世界選手権)とは、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が運営する世界最高峰の二輪車レースカテゴリー。その歴史は1949年からと古く、現在はMoto 3(250cc)、Moto 2(765cc)、Moto GP(1000cc)の3つのクラスから構成されています。世界中からトップライダーが集まり今年は世界21ヶ所(スペインは4ヶ所)を転戦しながら、ワールドチャンピオンを目指して最高峰の闘いが繰り広げられます。

2024年3月現在のMoto GP(1000ccクラス)のレギュレーションは、最大排気量1000cc、4気筒以下、最大ボア径81mmの4ストローク・レシプロエンジン、共通ECUの義務化、ミシュランタイヤ使用などです。この仕様で各チーム・各ライダーがMoto GPを戦います。

昨年のMoto GP投稿には、Huluの視聴方法などもあるので良かったら合わせて読んで下さい↓

・Moto GP2023のリザルトと新たな優遇制度とは?

昨年度の個人タイトルは、1位フランチェスコ・パニャイヤ(ドゥカティチーム・ファクトリー)、2位ホルへ・マルティン(プラマックレーシング・ドゥカティ)3位マルコ・ベッツェッキ(チームVR46・ドゥカティ)とドゥカティ勢が1〜3位を独占。パニャイヤ選手は2022年に引き続きチャンピオンに輝き、2連覇を達成しました。コンストラクターズポイントは、1位ドゥカティ、2位KTM、3位アプリリア、4位ヤマハ、そして最下位がホンダでした。ドゥカティエンジンを採用するチームの選手が8名と最多でしたが、改めてドゥカティエンジンの強さが際立った2023年シーズンでした。残念ながら日本メーカーは4位5位と振るわず、欧州勢に比べて競争力を明らかに欠いてしまっている状況にあります。

以前からMotoGPの運営側はこうした日本メーカーの苦境に対し、新たなコンセッション(優遇措置)の適用を考慮していたことが明らかになりましたが、各参戦メーカーの全会一致の合意を得て、2024年から以下のような新システムが施行されることに決まりました。チームをA~Dの4つにランク分けし、ランクに応じたそれぞれの優遇措置が以下のように与えらます。

ランク・チームA(Ducati)B(該当無し)C(KTM, Aprilia)D(YAMAHA、HONDA)
テストタイヤ170本190本220本260本
プライペートテスト3コース、テストライダーのみ3コース、テストライダーのみ3コース、テストライダーのみどのコースでも可、ライダー自由
ワイルドカード0回3回6回6回
エンジン仕様と年間基数凍結、7or8基凍結、7or8基凍結、7or8基自由、9or10基
エアロアップデート1回1回1回2回

これを見る限りホンダとヤマハは、エンジン開発の自由、テストの自由など優遇を受けることになりますが、今年はこの優遇措置を活かして日本勢が戦闘力を上げて、上位に食い込むことを期待しましょう。尚、シーズン中の順位によって、A〜Dのランクが変動することもあるようです。

新しいマシンでテストするHONDA中上選手

・2024年シーズンの参加チームとライダーについて

2023年シーズンが終わり、移籍した選手もいます。もっとも大きなインプレッションを与えたのが、長年在籍したレプソル・ホンダから、グレーシー二・レーシング(ドゥカティ)に移籍したマルク・マルケスではないでしょうか。そしてマルケスの抜けたホンダの陣営には、VR46レーシングからルカ・マリーニ、プラマックレーシングからヨハン・ザルコが移籍しました。シーズン最後までシートを確保できていなかったディ・ジャンアントニオも、ロッシ率いるVR46レーシングに決まりました。また、2023年度Moto2チャンピオンのペドロ・アコスタが、ガスガスで初のMoto GPを走るのも楽しみですね。

チーム名コンストラクター車両No.ライダー
アプリリア・レーシングApriliaRS-GP12マーベリック・ビニャーレス
41アレイシ・エスパルガロ
トラックハウス・レーシング25ラウル・フェルナンデス
88ミゲル・オリベイラ
ドゥカティ・レノボ・チームDucatiデスモセディチ GP241フランチェスコ・バニャイア
23エネア・バスティアニーニ
プリマ・プラマック・レーシング21フランコ・モルビデリ
89ホルヘ・マルティン
グレシーニ・レーシングMotoGPデスモセディチ GP2373アレックス・マルケス
93マルク・マルケス
プルタミナ・エンドューロ・VR46
レーシング
49ファビオ・ディ・ジャンアントニオ
72マルコ・ベッツェッキ
レプソル・ホンダ・チームHONDARC213V10ルカ・マリーニ
36ジョアン・ミル
LCRホンダ・カストロール
LCRホンダ・イデミツ
5ヨハン・ザルコ
30 中上貴晶
モンスターエナジー・ヤマハMotoGPYAMAHAYZR-M120ファビオ・クアルタラロ
42アレックス・リンス
レッドブル・KTM・ファクトリー
レーシング
KTMRC1633ブラッド・ビンダー
43ジャック・ミラー
ガスガス・ファクトリーレーシング・
テック3
31ペドロ・アコスタ
37アウグスト・フェルナンデス

・Moto GP2024の年間スケジュール

今年のMoto GPのスケジュールは下記の通りになります(場合によっては変更があるかもしれません)。

GP名サーキット名日程
第1戦カタールGPルサイル・インターナショナル・サーキット3/8-10
第2戦ポルトガルGPアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベ3/22-24
第3戦アメリカズGPサーキット・オブ・ジ・アメリカズ4/12-14
第4戦スペインGPヘレス・サーキット‐アンヘル・ニエト4/26-28
第5戦フランスGPル・マン5/10-12
第6戦カタルーニャGPバルセロナ・カタルーニャ・サーキット5/24-26
第7戦イタリアGPムジェロ・サーキット5/31-6/2
第8戦カザフスタンGPソコル・インターナショナル・レーストラック6/14-16
第9戦オランダGPTT・サーキット・アッセン6/28-30
第10戦ドイツGPザクセンリンク7/5-7
第11戦イギリスGPシルバーストン・サーキット8/2-4
第12戦オーストリアGPレッドブル・リンク8/16-18
第13戦アラゴンGPモーターランド・アラゴン8/30-9/1
第14戦サンマリノGPミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ9/6-8
第15戦インドG Pブッダ・インターナショナル・サーキット9/20-22
第16戦インドネシアGPルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・サーキット9/27-29
第17戦日本GPモビリティリゾートもてぎ10/4-6
第18戦オーストラリアGPフィリップ・アイランド・サーキット10/18-20
第19戦タイGPチャン・インターナショナル・サーキット10/25-27
第20戦マレーシアGPペトロナス・セパン・インターナショナル・サーキット11/1-3
第21戦バレンシアGPリカルド・トルモ・サーキット11/15-17

4/5-7で予定されていたアルゼンチンGPは、アルゼンチンの経済的な状況により中止。イベントプロモーターが2024年のMotoGPの基準でグランプリを開催するために必要なサービスを保証できないと判断しました。アルゼンチンの代替えGPは設定せず、今年のMoto GPは全21戦で開催されるとのことです。

日本で開催されるMotoGP、日本GPは栃木県芳賀郡に位置するモビリティリゾートもてぎを舞台に、シーズン後半戦の第17戦として10月4日から6日にかけて行なわれます。今年は生観戦したいと思っていますが、どうなることでしょうか。

開幕戦のカタールGPは、21戦中唯一のナイトレースです。日本時間は深夜帯になりますが、眠たい目を擦って観戦しましょう。そしてカタールから約8ヶ月間、22名のライダーが長い世界最高の戦いを繰り広げることになります。

・今シーズンの展望・願望

*ついにドゥカティに乗るマルク・マルケス

マルク・マルケス選手は、11年間所属してきたホンダを離れ、ドゥカティのサテライトチームである、グレイシーニレーシングに移籍しました。セパンテストではホンダの乗り方が抜けきらないマルケス選手は、ドゥカティマシンに手こずっている印象でした。ホンダのトップライダーとして君臨し、自分の為にマシンをセッティングしてくれるホンダと、1ライダーとして乗るドゥカティでは明らかに勝手が違うと思います。それでももっと速く走りたい、勝ちたいという気持ちから、6回チャピオンに輝いた居心地の良いホンダを離れ、ドゥカティに移ったマルケス選手に、賛辞を送りたいです。序盤戦は苦労することが予想されますが、そこは天才肌のマルケス選手、徐々にドゥカティのマシンに慣れていき、トップ争いをしてくれることでしょう。そしてグレイシーニのもう一つのシートは、実弟であるアレック・マルケス選手。同じチームでマルケス兄弟で、ワンツーフィニッシュを飾ってくれたら、ファンからしたらたまらない瞬間になると思います。強くて速くて上手い、そして少々強引な、ドゥカティのマルク・マルケス選手が見れるのが、今から楽しみでなりません。

グレイシーニにマルケス、まだ違和感を感じます

*チャンピオン争い

今年もドゥカティ・ファクトリーチームのゼッケンNo.1、フランチェスコ・パニャイヤ選手が、総合チャンピオンの最右翼であることに変わりはありません。先シーズンは序盤こそ盤石の強さを発揮しましたが、中盤以降少し苦戦している印象でした。プラマックのホルへ・マルティン選手の猛烈な追い上げに遭い、終盤は正直どちらに転ぶかわからない展開でした。それでもヨーロッパに戻ってきてからは、リタイヤしない安定した走りを見せたパニャイヤ選手が、見事2連覇を果たしました。今年もパニャイヤVSマルティンの戦いは続くと思われます。そこに昨年総合3位のベッツェッキ、KTMのビンダー、アプリリアのビニャーレスやエスパルガロらが喰らい付いて欲しいところです。私的にブレイクして欲しいのが、バスティアニーニとディ・ジャンアントニオ。今年もドゥカティ勢中心の展開になることが予想されますが、白熱した戦いが見れることでしょう。

今年もパニャイヤ選手が強いのか

マルティン選手が雪辱を果たすのか

ニューカラーで挑むプラマック・レーシング

*日本勢の巻き返しなるか

昨年はYAMAHAが4位、HONDAが最下位に終わったMoto GP。今年は是が非でも巻き返したいところです。YAMAHAのマシンがどれだけドゥカティやKTMに直線で喰らいつけるか、そして元チャンピオンのクアルタラロ選手が復活できるかに掛かっています。筆者は国産のSSマシンの中で言うと、YAMAHAのR1が好きなので、Moto GPで躍動するYZR-M1を見たいですね。また悩めるHONDAですが、看板選手だったマルク・マルケスが去り、新しい体制で挑むことになります。ドゥカティから移籍してきたルカ・マリーニとヨハン・ザルコがどこまでホンダのマシンを改善できるかに掛かっていると思います。また今年でMoto GP参戦7年目を迎える 中上貴晶選手も、勝負の年となるでしょう。ドゥカティ圧倒的優位は変わらないですが、日本勢には一矢報いて欲しいところですね。

・Moto2 カテゴリーにも期待

Moto2クラスには、2023年にMoto3王者を獲得したジャウマ・マシアが参戦。他にもランキング4位のデニス・オンジュや、マリオ・アジ、チャビエル・アルティガスがステップアップしています。日本勢は小椋藍が継続参戦しますが、チームを移籍してMT Helmets – MSIからボスコスクーロ機を駆ることになりました。さらに、2023年シーズンは惜しくもマシアとのMoto3王座争いに敗れるも、ランキング2位を獲得した佐々木歩夢が初のMoto2クラスに昇格。野左根航汰が参戦していたCorreos Prepago Yamaha VR46 Teamより、カレックスのマシンを駆って参戦します。昨年Moto2王者を獲得したペドロ・アコスタがMoto GPにステップアップした今年度は、小椋選手にチャンスが到来すると個人的には思っています。

そして2024シーズンより、Moto2のタイヤがダンロップからピレリに変更になるようですね。

↓ピレリタイヤをテストする小椋藍(MT Helmets – MSI)と佐々木歩夢(Correos Prepago Yamaha VR46 Master Camp)

・最後に:今年もMoto GPを楽しみましょう

Moto GP視聴歴1年の初心者による、「今年もMoto GPを観戦しよう ~3/8から第1戦カタールGP」のインプレッションは如何だったでしょうか。2024年もフル観戦してもっとMoto GPの見識を深めたいと思っています。しかし今年はついにドゥカティに跨るマルクマルケスをはじめ、パニャイアVSマルティンのチャンピオン争いなど、本当に見どころ満載です。ドゥカティ1強に待ったをかけれるよう、KTMとアプリリアには奮起を期待します。日本勢ではYAMAHAクアルタラロに頑張って欲しいです。またMoto2の小椋&佐々木の活躍も楽しみです。またMoto GP見たことがないという方は、Hulu2週間無料お試し登録をして、一度ご視聴ください。

カタールGPのスプリント&決勝レースのタイスケは以下の通りです。

3/9(土):MotoGP 【スプリント(11周)】25:00〜25:45

3/10(日):Moto2 【決勝レース(18周)】24:15〜24:55
      MotoGP【決勝レース(22周)】26:00〜26:50

今週末から眠れない夜が始まりますね。それでは皆さま、今年もMoto GPを楽しみましょう!!

*全ての写真はAuto Sport様より引用させて頂きました

3件のコメント

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