長崎周遊ツーリングに行ってきました〜生月島&軍艦島

九州に来てもうすぐ2年になる管理人。熊本・阿蘇のツーリングロードが素晴らしく、バイクで走るところも沢山あるので、九州の他県にあまり走りに行かなくなってしましました。調子が良くないBMW・R100RTと、ドゥカティのSSバイクという組み合わせもあり、以前に比べて長距離ツーリングしなくなったような気もします。

そんな中、先月の九州パニガーレMTGに茨城から来てくれたパニガーレオーナーが、とあることを言っていました。九州は阿蘇だけでなく、本当にバイクで走りたくなる道が多いとのこと。10日間休みをとって、九州〜本州の絶景とパニガーレを写真に沢山納めて旅されていました。中でも長崎県・生月島の景色は、最高だったようです。

パニガーレV4S at 生月島サンセットウエイ

熊本と長崎は隣県なのに、雲仙と島原以外、筆者はバイクで走ったことがありません。同時に、私はなんて勿体無いことをしているのだろうと思いました。善は急げ(笑)ということで、早速ドゥカティ仲間を誘って、熊本から長崎周遊ツーリングに行ってきました。今回は、その模様を存分にお届けしたいと思います。

1. 有明フェリー(長洲〜多比良)

熊本市内から北西へバイクを走らせること1時間で、長州港へ到着。今回は熊本から船に乗って、有明海を縦断するルートで、長崎(島原)に行くことにしました。友人とは長州港で待ち合わせです。受付で1500円のチケットを購入して、バイクでフェリーに乗り込みました。

船旅とは言っても、長州港〜多比良港まではわずか45分で到着します。下記の地図を見てもらったらわかると思いますが、熊本から長崎中心部へいこうとすると、有明海をぐるっと回ってこないといけません。そこで片道1500円(バイク料金)を払って船で渡ってしまう方が、時間的にもコスト的には断然お得です。

有明フェリーHPより引用

2. 雲仙ドラゴンロード

船に揺られること45分、長崎県雲仙市の多比良港に到着。出発時、エンジンがかからないトラブルがありましたが、バイクを押して下船し、バイクを停めて10回始動を繰り返して、なんとかエンジンに火が入りました(大汗)まずは雲仙に来たら走りたい絶景ロード “雲仙千々石線(通称:雲仙ドラゴンロード)” を目指します。国道389号線から雲仙岳方面に22キロ南西に走ると、そこにはクネクネのワインディングロードが現れます。

雲仙ドラゴンロードの写真スポット

直線と急なヘアピンカーブの連続が、龍の立ち昇る姿に似ていることから、「雲仙ドラゴンロード」と名付けられたようです。道幅が狭く傾斜のある峠道なので、バイクを停めて写真を撮る際は、くれぐれもご注意下さい。雲仙ドラゴンロードを満喫したところで、雲仙・島原地区を後にし、諫早方面に向かいます。

3. TACK東彼杵本店

ドラゴンロードから諫早・大村を抜け、長崎道(高速)を使って走ること1時間、次の目的地であるTACK東彼杵本店に到着。

絶景ポイントではなく、有名なアパレル店です。設立1988年の九州を代表するアメカジショップで、私も大好きなファインクリークレザーズやラングリッツレザーなどを扱っています。長崎に行くなら絶対に立ち寄ろうと思っていた場所です。

TACKさんのHPより引用

長身のイケおじ社長と奥様が出迎えてくれるアットホームな感じのお店でしたが、服のラインナップは購買意欲をそそられるものばかり。広い店内には、JALADO, BUZZ RICKSON’S, FLAT HEAD, WEST SIDE, WESCOなど錚々たるブランドが並んでいるので、ついつい目移りしてしまいます。TACKは東彼杵本店とは別に、大村店もあります。9月初めの大村店では、天神ワークスのPOP-UPイベントとA-1グランプリ九州地区予選(*)が行われていました↓

(*)A-1 グランプリとは:2009年に始まった天神ワークス主催の革のエンジング日本一を決めるイベント。今年でなんと15回目を迎えます。天神ワークスのレザープロダクトを持っていれば誰でも出品できます。毎年、レザーウォレット大会とレザーウェア大会を交互に行っています。

私がTACK本店で購入したのは、TACKオリジナルTシャツとシルバーアクセサリー。革ジャンに似合うアクセサリーを探していたところに、First Arrowsに出会って一目惚れ。シルバー950のフェザーにターコイズをあしらったペンダントトップに、同じくシルバー950のチェーンを合わせてもらいました。

ファインクリークのレオンと相性バッチリなシルバーアクセに出会えて、ご満悦でした。大好きな服たちに囲まれて、楽しいお話も聞けて、幸せな時間でした。今度はTACK大村店にも遊びに行ってみようと思っています。

4. 生月島大橋〜生月島サンセットウェイ

TACKさんに1時間半も滞在してしまったので、先を急ぎます。東彼杵から高速に乗り、佐世保・平戸方面を目指します。今回は夕方前に生月島に入りたいので、オランダ村や平戸ザビエル像などは素通りでした。休憩しながら2時間走ったでしょうか。夕方前に生月島大橋に到着しました。大橋の展望所で記念撮影↓

休憩後、念願の生月島サンセットウェイを走ることができました。数々の車のCM撮影に使われている名道ですが、海と山のコントラストが美しい超絶景ロードでした。阿蘇には山々はあるけど海はないので、両方を持ち合わせている生月島サンセットウェイは贅沢な感じがします。そして走っているうちにあたりはどんどん日が落ちて、暗くなってきました。バイクを停めて、黄金色に輝く海をバックにドゥカティ848と写真を撮りました↓

生月島サンセットウェイでサンセットを撮りました

5. 大バエ灯台からの夕焼け

そして生月島・北端の大バエ灯台に到着。狙い通り、サンセットまでカウントダウンの時間帯です。大バエ灯台にはバイクでは入れないので、駐車場に停めて徒歩で向かいます。夕焼け前の大バエ灯台からシャッターを切った写真は、まさに大映えでしたよ(笑)↓

その後、日が沈んでいくに連れて海が赤く染まっていく絶景を見守りました。残念ながら最後に雲がかかってしまい、全てが紅色に染まる地平線は拝めませんでしたが、それでも心が洗われる光景でした。これから生月島に行かれる人は、平戸に宿を取って夕焼けの生月島・大バエ灯台を見に行って欲しいですね。そして平戸へ戻る帰り道が真っ暗だったことは、内緒にしておきます。(島はいい感じの田舎なので街灯が殆どありません)

日が落ちる少し前が綺麗でした

熊本からはかなり遠いのですが、やっぱり来て大正解だった生月島でした。

5. 平戸〜本土最西端(佐世保)

周遊ツアー2日目の朝、宿泊地の平戸からバイクを佐世保方面に走らせます。やはり海をバックに走る道は最高ですね。小一時間運転して、地元の漁港を抜け、次の目的地である佐世保市・神崎鼻(こうざきばな)に到着。

この地は、日本本土最西端。バイクを停めて、看板をバックに記念撮影↓

日本本土最西端の地に到着

看板からは歩いてモニュメントを目指します。丘を登って階段を下ると、そこにはモニュメントがありました。随分簡単な感じでしたが、記念撮影。平日というのもあって、我々以外には1組しかいませんでした。

後から知ったのですが、神崎鼻を訪れた人には、「日本本土最西端到達証明書」がもらえるそうです。小佐々支所、小佐々地区コミュニティセンター、佐世保観光情報センター、矢岳簡易郵便局、道の駅させぼっくす99、おさかな広場の六ヶ所にて発行してくれるとのこと。興味がある方は立ち寄ってみて下さい。

6. 軍艦島

そして2日目のメインイベントは軍艦島です。佐世保からは、長崎サンセットロード〜西海パールライン経由で、バイクを走らせました。佐世保バーガー食べたい気持ちを抑えて、長崎市を目指します。長崎市内は道が狭くて、坂が多くて、渋滞が結構ひどいです。なんとか渋滞を縫うように走って長崎港ターミナルに到着。運よく長崎港近くにバイク駐輪場を見つけました。本当は、ランチに長崎ちゃんぽんや皿うどんを食べる予定だったのですが、乗船30分前だったので諦めました(泣)コンビニでパンと飲み物を購入して、クルーズ船に乗り込みました。

イメージとしては左の海賊船で行きたかったのですが、現実は右のクルーズ船で出航。軍艦島クルーズ船は大人気で、我々の時間帯には150人くらい参加していました。我々はやまさ海運の船を事前にネットで予約しておきました。他の海運会社からも、軍艦島クルーズ船はたくさん出ているようです。1時間に1本くらい出ている計算になりますが、長崎港まで来て乗れないと残念すぎるので、ネットで事前予約することをオススメします。

・軍艦島とは?

まずは軍艦島に行く前に、島の歴史について少し触れてみようと思います。

長崎港から南西に約18キロの沖合いに位置する「端島(はしま)」。端島は南北に約480m、東西に約160m、周囲約1,200m、面積約65,000m2という小さな海底炭鉱の島で、岸壁が島全体を囲い、高層鉄筋アパートが立ち並ぶその外観が軍艦「土佐」に似ていることから「軍艦島」と呼ばれるようになりました。

1800年代前半、端島で石炭が発見されます。そして1890年三菱の経営となったことにより、本格的に採炭が始まり開発されて行きます。1916年には日本最初の鉄筋高層アパートが建設されました。この島には炭鉱施設だけでなく、住居、学校、プール、飲食店、神社などがあり、この狭い島にピーク時は5300人が住んでいました。1941年には、年間出炭最高記録41万トンを達成。そして1970年代まで出炭されましたが、石炭が取れなくなったこともあり、1974年に最後の端島鉱が閉山し、同年4月に無人島になりました。

そして閉山から37年目の2009年に上陸が解禁となり、クルーズ船が出て観光できるようになりました。また2015年、明治日本の産業革命遺産の一つとして世界文化遺産に登録されることになります。

・軍艦島上陸〜1年越しのリベンジ

実は管理人、2022年6月にも軍艦島を訪れました。しかしながら、その日は波が高く上陸は危険と判断された為、残念ながら軍艦島周遊クルーズのみでした。そして今回はそんなに強い波もなかったので、念願の上陸を果たしました!まずは、船から見た軍艦島の写真をアップします↓

船の上から見ても、廃墟感そして要塞感が凄いですね。そしていよいよ上陸の時です。船が着岸し、スロープが取り付けられています。150人が下船するため、結構時間かかります。そして3班に分けられて、班に一人ずつガイドさんがついてくれます。

軍艦島クルーズのHPより引用

実際に上陸して、見学ができるのは左側のエリアのみ。(上記地図の赤い部分)少ししか見れないので残念でしたが、無人島になって50年近く経っている島なので、危険との判断でしょう。第1見学広場からは、島の中心である貯炭場を臨むことができます。この狭い空間の中で、汗をかきながら多くの人が働いていたのだと、想像を膨らませました。

続いて第2見学場・第3見学場に向かいます。ここからは奥に日本最古の鉄筋高層アパートが見えます。また手前にはプールがあったのであろう場所も確認できました。建物は風化し、鉄筋などは錆びています。50年近く放置され、潮風も強いことから、やはり廃墟感は半端ないですね。

緑色の服を着たガイドさんの話を聞きながら約1時間、軍艦島に滞在しました。半世紀を迎える無人島で、「島全体が繁栄当時のまま残っている」のという非日常を味わうことができます。そして軍艦島というだけあって、まるで爆撃された外観のようにも感じました。明治〜大正〜昭和と、日本が隆盛し敗戦から立ち上がってきた歴史の中に、炭鉱は強く存在していたのだと思います。現在の主なエネルギーは石油ですが、あと50年〜100年経った後には、石油化学コンビナートは文化遺産として残されているかもしれません。さらに詳しく知りたい方は、軍艦島の歴史を参照下さい。

7. 熊本へ帰還〜まとめ

軍艦島から長崎港に戻った後は、再びバイクに跨り多比良港を目指します。夕方の便には乗りたいので、高速道路を利用して帰路を急ぎました。長崎は完全に高速が通っているわけでないので、下道の渋滞にも遭遇しながら、なんとか船の乗船時間にも間に合いました。有明フェリーの良いところは、出航15分前でも乗せてくれるところです。(高速バスのような感覚ですね)そして長州港に着いた後は、しっかりエンジン始動できました。バイク旅の道中で船を使うのは、海を見ながら休憩して進めるので、なんだか得した気分になります。

今回は一泊二日という限られた時間の中、長崎を満喫することができました。しかしながら、長崎にはまだまだ訪れたいスポットが沢山あります。次回は、諫早・大村・佐世保・平戸を中心に長崎ツーリングを楽しみたいと思っています。ここまでご購読ありがとうございました。

最後に、九州ライダーの皆様、一度でいいので「生月島」を走ってみて下さい!!

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