ライダーの皆様、カフェレーサー乗っていますでしょうか?管理人は、トライアンフ・スラクストンRに乗って1年半が経ちました。これからもスラクストンに乗っていきたい気持ちもあれば、他のカフェレーサーに乗ってみたいと考えることもあります。SNSやツーリングでカッコいいカフェレーサーを見ると、やはりテンションがあがりますよね。昨今のネオクラブームも手伝って、国内外のカフェレーサーが増殖中です。このブログを始めた頃(2022年6月)にいくつかカフェレーサー紹介の投稿をしましたが、今回はバイク人生の中で一度は乗りたいカフェレーサーをポストしていきたいと思います。乗りたいカフェレーサーは山ほどあるのですが、今回は中々お目にかかれないバイク5台に絞ってお届けします。
1. ドゥカティ・スポルト1000S & MH900e
まず初めに紹介したいのが、ドゥカティが誇るスポーツクラシックの末弟・スポルト1000S。ドゥカティのスポクラシリーズといえば、ポールスマート1000LE、スポルト1000が2006年に先行リリースされました。この2モデルは乾式クラッチ仕様でしたが、後から発売されたGT1000とこのスポルト1000Sは湿式クラッチが採用されています。
空冷L型2気筒デスモドロミックエンジンを搭載し、トレリスフレームにロケットをカウルまとったスポルト1000Sは、1970年代のベベル900SSやMHRを思い起こすエレガントな佇まいです。発売当初は最新だった、2バルブデュアルスパークエンジン(気筒ごとに2バルブ、2気筒なので4バルブ)を積んだスポクラは、他メーカーのネオクラシックモデルやカフェレーサーに比べて、高性能でドゥカティのLツインの鼓動感を楽しむことができます。
スポルト1000Sは長いタンクにセパレートハンドルを採用しており、前傾が強いられるライディングポジションなので、乗り手を選びます。それでも空冷L型2気筒エンジンの最高出力は92馬力を生み出し、ワインディングではトルクフルに走ることができるドゥカティです。
世界2000台限定だったポールスマートと並び、市場に球数が非常に少ないモデルなので、状態の良いスポルト1000Sに出会ったら購入すべきかもしれません。1970〜80年代のベベル900SS、MHRは少しハードルが高いと感じますが、このスポルト1000Sは2000年代のインジェクション車なのでまだまだ乗っていけそうな気がします。
2001年に世界2000台限定販売されたMH900eも候補の一つですが、より希少性が高く値段が高騰しています。状態の良いMH900eを見つけるのは非常に困難です。個人的には黒のスポルト1000Sのクール&スタイリッシュ感が刺さるので、一度でいいから所有してみたいイタリアン・カフェレーサーの筆頭格です。
2. ノートン・コマンド961カフェレーサー
2台目に紹介するカフェレーサーは、トライアンフのライバルでもある英国のノートン・コマンド961カフェレーサーです。管理人がお世話になっている熊本のガレージ・カオスさんは、以前ノートンのディーラーをされていたので、たまに入庫しているお客様のコマンドを見ることがあります。
ノートンは1898年イギリスで創業された老舗オートバイメーカーで、1950〜60年代のカフェレーサーブームでは、トライアンフ・BSAと並び一世風靡しました。1969年に初代コマンド750が販売開始、続いて1972年にコマンド850がリリースされます。しかしながらその後、ノートンは経営難に陥り倒産。その後は親会社が二転三転する暗黒時代を迎えました。コマンドの開発はしばらく滞っていましたが、2009年『コマンド961SE』『コマンドー961カフェレーサー』『コマンド961スポーツ』が発表され、コマンドは見事に復活を果たしました。
コマンド961カフェレーサーのスペック
2013年に2代目としてリリースされたコマンド961カフェレーサーMKⅡは、往年のコマンドを彷彿とさせる並列2気筒OHV961cc空油冷エンジンを搭載し、最高出力は80馬力。フロント・リアサスペンションはオーリンズを採用し、ビキニカウル・セパレートハンドル・左右2本出しマフラー・シングルシートなどザ・カフェレーサーの要素がふんだんに盛り込まれた車両になっています。
第2世代の961カフェレーサーは新車価格360万円で、対比されるトライアンフ・スラクストンRS(ロケットカウル仕様、最高出力105馬力)の新車価格が250万円であることからも割高感が否めないですね。ノートンは壊れやすい割にはディーラーやメンテできるショップが少ない為、日本ではあまりお目にかかれないバイクだと思います。そんなスペックや整備性が劣るノートンコマンドですが、なぜか惹かれてしまう魅力があるのです。バイクに乗っている以上、いつかは乗りたいのがこのコマンド961カフェレーサーです。
3. BMW・R75/5 Caferacer
続きまして3台目に紹介したいのが、ドイツからBMWのR75/5 Caferacerになります。原型となったのは、BMW R75/5という1669〜1973年に発売されたバイクです。キックスタート付きの2気筒4ストロークボクサーエンジン搭載。排気量は745cc最高出力は60馬力、6200rpmのスペックとなります。発売当時としてはスペックの非常に高いモデルだったので人気もあったのですが、販売期間が短かったこともありかなり希少なバイクです。
そんな希少なBMW・R75/5を、日本が誇る凄腕カスタムビルダー達がカフェレーサー仕様に作り上げました。その中でも特に大好きなのが、46Wroks 中嶋さんが作るR75/5 Caferacerです。40年前の旧車BMWに息吹を吹き込み、無駄を削ぎ落とした無骨なカフェレーサーは見る人を魅了します。先日、東京都内で行われた46Works個展も大盛況だったようで、管理人も関東在住なら絶対に見に行きたかったですね。
↑の映像は、46WorksカスタムR75/5 Caferacer で筑波サーキットを走るシーンを見ることができます。このバイクを手に入れるには、それなりのお金と時間が必要ですが、人生で一度は唯一無二のスペシャルなカフェレーサーに乗ってみたいと思っています。これこそ本当の漢のロマンです。
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4. ハーレーダビッドソン・XLCR
アメリカンバイクの象徴的なメーカーといえば、10人中9人はハーレーダビッドソンをあげる事でしょう。そんなハーレーが1977〜1979年に、歴代で唯一発売したと言われるカフェレーサーがあるのをご存知でしょうか。当時、人気のあった日本製やイタリア製バイクに対抗すべく、アメリカ国内顧客にイギリス仕様のカフェレーサーを販売したいという思いから、XLCRというカフェレーサーがリリースされました。しかしアメリカのハーレー顧客に全く刺さらず、3600ドルという高額設定もあり、商業的には失敗に終わりました。販売はわずか3年で打ち切りになり、作られた台数は世界約3000台と言われています。
しかし近年のカフェレーサーブームや希少車両ということもあり、この車両が再び注目されています。1970年代の販売当時、半額セール(1800ドル)でも売れ残っていたXLCRですが、今の日本市場では40年以上前の車両に300〜500万円の高値が付いています。それではハーレーが作ったカフェレーサーとはどんなバイクなのか、スペックなどを見ていこうと思います。
XLCRのスペック
XLCR (スポーツスターXL1000・Cafe Racer の略)は空冷V型2気筒1000ccエンジンを搭載し、最高出力は68馬力と言われています。カフェレーサーにしては長いホイルベースですが、ビキニカウル・細くて小さいタンク・1人乗りシート・キャストホイールなどカフェの要素が詰まったハーレーダビッドソンです。カラーはブラックのみで、当時のハーレーとしては唯一クロムメッキを使わないモデルだったようです。カフェレーサーに、ハーレー伝統のVツインが乗っているだけで何かワクワク感がありますよね。(カスタム車だと、ビューエルのライトニングがハーレーのエンジンを積んでいますが・・・)
XLCRは乗りにくい
そんなスタイリッシュなXLCRですが、見た目とは裏腹に性能はイマイチのようです。カフェレーサーにしては重い重量(乾燥234kg)に曲がらない・バンクしない・車体が起きてこない・クラッチが重すぎるなど、レーサーするバイクではありません。お笑い芸人ピースの綾部氏がこのXLCRを所有していますが、購入前にケンドーコバヤシ氏から「雑魚は乗るな!」とアドバイスを受けるくらい運転の難易度が高いバイクだったようです。かなりの覚悟を持って買わなければならないカフェレーサーがこのXLCRです。
管理人も一度だけXLCRの実物を見たことがあるのですが、カフェカスタムしたハーレーにはない造形の美しさがあります。そして元ハーレー乗りとして、空冷Vツインの鼓動感でカフェレーサーに乗れる至福感を、一度味わってみたいと思わせてくれる究極のバイクだと思います。
5. CCM・Spitfire Caferacer
最後に紹介したいのはCCMのスピットファイヤのカフェレーサーです。CCM??聞いたことないけど、どこのメーカー?と思いますよね。管理人も実車は一度しか見たことありませんが、CCMはイギリスの小さなオフロードバイクメーカーです。現在のところ日本にディーラーや代理店がないので、個人輸入くらいしか購入する手段はないのですが、とにかく実物のCCM Spitfire Caferacerを見て度肝を抜かれました。
CCMとは?
CCM(Clews Competition Machines)はイギリスのボルトンに本拠を置くオートバイメーカー。1971年、解散したBSAの競技バイク部門を買い取ったのが創業者であるAlan Clewsでした。当時CCMは2ストロークに対抗できる4ストローク・オフロードバイクを製作し、500ccモトクロス世界選手権などで活躍。1980〜1990年代ではモトクロス界で名を馳せたCCMですが、1998年に買収され、2004年に創業を停止しています。その後、元の創業者Alan Clewに再び買い戻され復活を果たします。そして2016年にスピットファイアのスクランブラー、カフェレーサーをリリース。熟練工が手組みでバイクを作り上げるカスタムビルダーのような英国バイクメーカーです。
スピットファイア・カフェレーサーのスペックは?
水冷単気筒600ccDOHC4バルブエンジンを搭載し、何と乾燥重量は125kg。最高出力は55馬力、最大トルクは58N・mとパワフルであり、無駄を最大限に削ぎ落としたカフェレーサーに仕上がっています。ホイルは前後19インチ、削り出しのハブに軽量アルミリムを採用。セパレートハンドル、スリムなアルミタンク、最低限のシングルシート。オフロードバイクメーカーと思えない無骨でクールなデザインにビルダーのセンスを感じます。そしてこのカフェレーサーの他にブロックタイヤを履いた、アップハンドルのスクランブラーもリリースされています。
管理人がお世話になっている某バイク屋さんには、個人輸入されたお客様からスピットファイヤ・カフェレーサーが入庫していました。日本に輸入された実績がほとんどないことから、さまざまな検査や仕様変更をしないと車検が通らないとのこと。実際このバイクが日本の公道を走っているのを見るのが楽しみです。そしていつかは、自分でもCCMのカフェレーサーを所有して、阿蘇の絶景を走ってみたいと妄想しています(笑)
最後に
今回はかなりマニアック選考なってしまいましたが、「バイク人生で一度は乗りたいカフェレーサー5選」を紹介させて頂きました。イタリア、イギリス、ドイツ、アメリカと国籍が違うメーカーのバイクを挙げさせてもらいましたが、同じジャンルでありながら、全く違う独自の路線でカフェレーサーを作っていることがよく分かりました。そしてどのカフェレーサーもスタイリッシュでカッコいいことに疑いの余地はありません。実際ライティングしていて1つわかったことは、私自身「カフェレーサーが本当に大好きだ」ということです。皆さんのお気に入りのカフェレーサーも教えて欲しいと思います。
Caferacerよ永遠に!!
ご購読ありがとうございました。
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