ライダーの皆さま、サーキットは走られたことがあるでしょうか。管理人は昨年6月デビューして以来、何度かサーキット走行会で走りました。そして2023年3月某日、今年1回目の ”サーキット走行会” に参加してきました。冬の寒い時期はあまり走行会がないので実に5ヶ月ぶりでしたが、転倒せずに楽しんできました。でもサーキット走行って「速度が速いし危ない」とよく言われますが、実際はどうなのでしょうか?その辺りを踏まえて、今回はサーキット走行会&サーキット走行のメリットについて、レポートしていきたいと思います。
1.サーキットとは?
ご存知の方も多いとは思いますが、サーキットを調べてみると「自動車やオートバイなどの競走用につくられた環状道路のこと」と称されています。もっと具体的に言うと、レースの為に作られた輪状のクローズド・ロードがサーキットと呼ばれています。
そしてサーキットには、レース途中のタイヤ交換や応急処置などを行うための「ピット」、ピット裏のスペースが「パドック」、レース中に計測・監視・競技審査などを行う「コントロールタワー」があります。大きなサーキットになると、観客席やレース車両保管庫も揃っています。
先日走ったHSR九州サーキットコースは熊本県菊池郡大津町にある、全長2,350mのMFJ(日本モーターサイクル協会)公認サーキットとなっています。平日は本田技研工業二輪&RDのテストコースとして利用されていますが、休日は一般解放しており、走行会やレースなどが行われています。中規模のサーキットで、ほとんどアップダウンがなく初心者でも走りやすいですコースです。パドック上に観戦エリアがあり、入場料いらずなので誰でも気軽にサーキット走行を見ることができます。
2. サーキット走行会とは?
サーキットは本来レースをするところなのですが、サーキット走行会はレースではありません。出走者のレベルに合わせてクラス分けを行い、競い合わずにサーキットを走るのが「サーキット走行会」です。レースよりも敷居が低く、バイク初心者でもサーキットを走ることができます。また走行会を何度か走ってサーキットコースを覚え、その後レースに参戦する人もいます。
管理人は昨年、2つの走行会に参加させてもらいました。
初めて走ったのが、タイヤメーカーのピレリが主催する走行会” ピレリファントラックデイ”。 私はHSR九州で体験走行を経験しました。午前中からABCクラスのライダーが走っていましたが、雨足が強まり走行をやめるライダーが多かったと記憶しています。管理人は昼からの参加だったのですが、せっかくサーキットに来たから絶対に走りたいと思い、大雨の中、先導車に続いてHSRをゆっくり走りました。詳細は下記の投稿をお読みください↓
体験走行ではないクラスで走ったのが、熊本のバイク屋さんFreedomが主催する”ウェルカム走行会”。熊本のライダーさんには有名なサーキット走行会です。実は雨のピレリファントラックデイの体験走行が不完全燃焼だったので、無理を承知でお願いして、1週間後のオートポリス走行会に参加させて頂きました。オートポリスは大分県日田市にある、全長4.6キロの国際サーキット。オートポリスの道路幅の広さと高低差に慄きながら、サーキット走行を存分に楽しみました。詳細は下記の投稿をお読みください↓
3. サーキット走行会の詳細
それでは今年3月に参加してきた「ウェルカム走行会 in HSR九州」の様子を紹介していこうと思います。尚、2023年のウェルカム走行会は、HSR3回・オートポリス2回・SPA直入(大分県竹田市)2回を予定しています。初心者でも参加できる敷居の低いアットホームな大会なので、九州北部のサーキット走行に興味のある方は、是非参加を検討して下さい。
・エントリー
まず大会エントリーします。ウェルカム走行会は、エントリー日に事務局に参加申込書をファックスします。クラスによっては人気がある為、先着順になる場合があります。(キャンセル待ちあり)クラス分けは下記の通りです。
Aクラス:HSR持ちタイム1分20秒以内*30台、フルフェイス・ツナギ必須
Bクラス:HSR持ちタイム1分20秒以降*40台、フルフェイス・ツナギ必須
Cクラス:サーキット走行会経験者〜初心者*50台、フルフェイス・長袖長ズボン(ツナギ無しでもOK)*今回はCクラスのエントリー数が多かったためC-1、C-2の2クラスありました。
Dクラス:初心者〜初めての方、先導ありの追い抜き無し、フルフェイス・長袖長ズボン
参加費は、A~Cクラスの男性10,500円女性・学生8,500円、Dクラス(体験)は4,500円。(障害保険料込み)3月開催のみレディースデーのため、女性はなんとオールコース500円でした。(羨ましい!)他の走行会に比べ、比較的リーズナブルな価格設定と言えるのではないでしょうか。
各クラスの当選者が、ウェルカム走行会のSNSで告知されます。当選したら指定口座に参加費を振り込んで、エントリー完了となります。
・タイムスケジュール
続いて走行会のタイムスケジュールです。午前中はライセンス所持者がスポーツ走行をしている場合が多いので、午後からの走行となります。
受付は10:30〜11:30、ブリーフィングは12:00からとなります。ブリーフィングはコース説明・ルール説明・注意事項確認など、非常に重要なので必ず参加すること。
出走時間(1本15分) | クラス | 集合時間 |
13:00~ | D | 12:55 |
13:15~ | C-1 | 13:10 |
13:30~ | C-2 | 13:25 |
13:45~ | B | 13:40 |
14:00~ | A | 13:55 |
14:15~ | D | 14:10 |
14:30~ | C-1 | 14:25 |
14:45~ | C-2 | 14:40 |
15:00~ | B | 14:55 |
15:15~ | A | 15:10 |
15:30~ | D | 15:25 |
15:45~ | C-1 | 15:40 |
16:00~ | C-2 | 15:55 |
16:15~ | B | 16:10 |
16:30~ | A | 16:25 |
各クラス15分を3本走行できます。(Cクラスが1つの時は、20分*3本)管理人は5ヶ月ぶりのサーキット走行だったので、今回はC-2クラスで走りました。15分3本の45分って短すぎて物足りないのでは?と思いますが、素人ライダーには3本で十分です。やはり公道を走るのとは違った緊張と速度が、疲労を感じさせます。
今回のウェルカム走行会は、天候にも恵まれ200名近いライダーが参加していました。友人がDクラスで初めてサーキットを走ったのですが、最初は緊張しまくっていました。しかし3本目を終えた後は、楽しくてまた走りたいと言っていたくらいです。
先ほども述べましたが、サーキット走行会はレースではありません。タイムは計測器を借りるか、ラップタイマー等を使って計測できますが、無理をして走る必要はないです。自分の技量の範囲内でサーキット走行をすれば、公道を走るのとは違ったドライビングプレジャーを感じれると思います。それでは次に、サーキット走行の注意点についても言及していきます。
4. サーキットでの注意点
「サーキットは速いし危ない」と思っている、サーキット未経験のライダーさんは多いかと思います。サーキットコースにもよりますが、ストレートが長いオートポリス(900m)などはアマチュアでもスピードが300キロに達することもあります。しかしながらサーキットはクローズドで、対向車も来ない広い舗装された道路を走り、バイク以外の侵入者はいません。対して我々がいつも走っている公道は、対向車・右左折の車やバイク・自転車・歩行者・動物など様々なものが出てきます。そして公道には信号や渋滞もあります。速度域以外ならどちらが危ないでしょうか。またサーキットコース内で転倒すると、赤旗が出て全てのバイクの走行は中断されます。そしてレッカー車や救急車がすぐに出動して、バイクとライダーを迅速にピットや医務室へ運んでくれます。公道ならどうでしょうか。すぐにレッカー車や救急車が来ることはなく、二次災害の危険性は公道の方が圧倒的に高いと言えます。
サーキットでの注意点を遵守して、無理をせず走行すれば意外に安心なのがサーキット走行です。ここでは、サーキットでの注意点について言及していきます。
<走行前編>
・バイクの種類
体験走行であれば、原付バイク以外はどのバイクでも走行できます。スポーツ走行になると、スーパースポーツ、ネイキッド、モタードなどで走る方が良いでしょう。(たまにハーレー・スポーツスターで走っている方もおられます)
・服装(体験ではない、スポーツ走行の場合)
ヘルメット:フルフェイス(推奨はMFJ公認)を必ず着用し、顎紐はきちんと閉めてください。
レーシンググローブ:手首まで覆うものを使用して下さい。
レーシングブーツ:足首を覆う長さのものを着用して下さい。
レーシングスーツ:革製のできればMFJ公認のものを使用して下さい。
プロテクター類:頚椎パッドや胸部プロテクターも必ず入れて下さい。
エアバック:義務ではありませんが、安全性を考えるならエアバックも準備しておいた方が良いでしょう。管理人はエアバックは現在所持していないのですが、今年購入を考えています。また最新のレーシングスーツには、エアバック内臓のモノもありますね。
・バイクのメンテなど
バイク:ネジ類の増し締め・前後のブレーキは効くか・オイル漏れがないかしっかり確認しておいて下さい。
タイヤ:空気は入っているか、パンクしていないか確認して下さい。空気圧は公道よりやや低めが推奨です。(ドゥカティ848;公道2.2→サーキット2.0~1.9)パンク修理したタイヤはサーキット走行では使用しないでください。
工具:工具類は必ずバイクから外して下さい。
保安部品:ヘッドライト・リアライト等のガラス類には必ずテーピングして下さい。またミラーや灯火類は外すか、テーピングして下さい。転倒時、それらの破片で他のバイクに迷惑がかからないようにする為です。
付属品:バッグ、パニアケースなどはレースに不要なものは全て外して下さい。携帯やゴープロなどのガジェット類は、バイクにしっかりとつけるならOKですが、ヘルメットマウントや首から下げるのは基本NGです。
<走行編>
・慣熟走行:ファーストラップはタイヤを温めるための慣熟走行です。ゆっくり走り、追い抜きは禁止です。ファーストラップ以降もタイヤが完全に温まっていない場合は、無理して走らないこと。
・コースイン:ウィンカーが使えないので、手や足で合図を出して後方確認しながら、コースインして下さい。
・走行中:安全な車間距離を保ち、コーナーではできる限り追い抜きをしないこと。そして後方から自分より速いバイクが来てもラインを変えないで下さい。速い人・上手い人は勝手に抜いて行くので、ラインを変える方が危険です。走行会はレースではありません。無理せず自分のペースで走ることを心がけて下さい。
・旗が出たら:サーキットのマーシャルポストから旗が出たら、必ず指示に従って下さい。主な旗は下記の通りです。黄色旗や赤旗が出ても、絶対に急ブレーキをせずに、スピードを少し落とすくらいで走行して下さい。急に止まったり減速しすぎると、後方から追突される危険性があります。
ルールを守って無理をしなければ、サーキット走行会は楽しいです。そしてライダーとしての技量をアップしてくれるイベントであることは間違いありません。
5. サーキット走行のメリット
サーキット走行では、公道では体験できないメリットがあります。
❶マシンの性能を最大限発揮することができます
大半のバイクは、一般公道でそのマシンの持つ能力を発揮することはできません。(発揮したらお巡りさんに捕まってしまうリスクもあります)特にスーパースポーツのフラグシップモデルになると、公道ではそのパワーを持て余してしまいます。その点サーキットは速度制限がないので、マシンの性能を最大限発揮して走行することができます。しかしながら、ライダーの技量もあるので、無理は禁物です。
❷安全にバイクを走行することができます
前述にも述べた通り、速度以外の部分でサーキットは安全です。万が一転倒したとしても、走行が止まり、レッカー車・救急車が迎えに来てくれます。公道ではすぐ来ないことから考えても、サーキットは安全と言えるでしょう。そしてサーキットを走行してバイクを上手く扱うことを体得すると、公道でも安全にバイクを走らせることができます。
❸同じ目的を持つ仲間ができます
バイクが好きなサーキット走行したいライダーが、サーキットに集まってきます。何回も走っていると顔見知りになり、馬が合えばバイク仲間になります。バイクやサーキットを通して、同じ目的を持つ同士ができることは素晴らしいことだと思います。
❹公道で無茶な運転をしなくなります
管理人もそうなのですが、サーキットを走ると公道で無茶な運転をしなくなります。サーキットに比べると路面状況も読めない、何が飛び出してくるかわからない公道で、過度なスピードを出して走行することは危険だということが理解できます。そしてスピードを出したいなら、サーキットに行こうと思わせてくれます。
*デメリットは?
・転倒して怪我をするかもしれないです。これは公道でも同じです。
・転倒してバイクが破損するかもしれないです。これも公道でも同じです。
・費用(装備やサーキット使用料)かかる事です。安全とドライビングプレジャーを買うと思えば、安いものです。
まとめ
今回は、「バイク初心者でも楽しめるサーキット走行会」という題目で、初心者目線のサーキットや走行会について綴ってみました。これを読んでサーキット走行のイメージが変わったのではないでしょうか。少しでもサーキットを走ってみたいと思ったライダーさんは、是非体験走行からスタートしてみて下さい。サーキットは、ライダーとしての技量をあげるだけでなく、人間として成長させてくれる場所だと私は思っています。そして何よりバイクのことがもっと知りたくなり、バイクの運転が非常に楽しくなります。
Let’s challenge Circuit ride!!
今回もご購読ありがとうございました。
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