スラクストンRを手放しました

ライダーの皆様、今の愛車にどれくらい乗っているでしょうか？私の愛車の中で一番長く所有しているのが、トライアンフのスラクストンRでもうすぐ2年になります。これからも末長く乗っていきたいと言いたいところですが、この度スラクストンRを手放すことにしました。思えば2021年6月に神戸のバイク屋さんで出会って以来、最も色んな経験を共有したのがこのスラクストンRになります。しかしながら、憧れのBMW旧車R100RT カフェレーサーに乗りたい思いが優ってしまい、この度スラクストンRとお別れすることになりました。今回は、スラクストンRと共に歩んだ約2年間の思い出を振り返っていきたいと思います。

1. 完成されたカフェレーサー

バイクに乗り始めて半年が経過した頃だったでしょうか。カフェレーサーというジャンルがあることを知り、カフェレーサーに乗りたいと思いが日に日に高まっていきました。バイク初心者なのでカスタム車ではなく、純正である程度完成されたカフェレーサーを探していたところ、トライアンフのスラクストンというバイクに辿り着きました。当時はハーレーとMVアグスタの2台持ちでしたが、ハーレーを売却して、スラクストンRの中古車（2020年式、8,500キロ走行）を手に入れました。購入先の神戸から自宅まで乗って帰ったのですが、その時の緊張感と高揚感は今でも忘れられません。

”アメリカン”から”カフェ”へ

当ブログでは何度も紹介していますが、スラクストンRはとにかく完成されたカフェレーサーです。ロケットカウル、セパハン、シングルシート、Baby faceのバックステップなど、前のオーナーさんが適度にカスタムしてくれていたこともあり、イジるところがほとんどありませんでした。自身でした主なカスタムといえば、スリップオンマフラー導入・フェンダーレス化・ハンドルポジションを下げたことぐらいでしょうか。そしてネオレトロな見た目とは裏腹に、車両重量203キロ・最高出力97馬力のカフェレーサーは本当によく走ります。足回りもオーリンズ（リア）・ショーワ（フロント）・ブレンボ（ブレーキ）を採用しており、最強です。

2. バイクで初めての九州

8月という真夏にスラクストンRを購入し、クソ暑い中、嬉しくてよく早朝ツーリングしていましたね。そしてアメリカンのアップライトなポジションから、カフェレーサーの前傾ポジションにも身体が慣れてきました。そんな中、2021年9月、北九州出身のバイク仲間にアテンドしてもらって、名門大洋フェリーに乗りバイクで初めて九州に上陸。初めて走るやまなみハイウェイ、ミルクロード、阿蘇パノラマスカイラインに感動しっぱなしでした。当時仕事でストレスを抱えていた事がちっぽけに感じてしまうくらい、阿蘇の大自然は圧倒的でした。そしてスラクストンRで阿蘇に走りに来たことが、人生の転機になりました。

バイクで九州へ vol.1

バイクで九州へ vol.2

バイク乗りにとってこんなに素晴らしいロケーションは、全国でもそうありません。北海道や長野も素晴らしいですが、冬の寒さが厳しい為バイクに乗れる期間は限られています。九州・熊本に移住すれば、いつでも阿蘇の大自然が近くにあり、バイクで走ることができるという思考回路が働いてしまいました（笑）今思えば無謀だったかもしれませんが、「そうだ九州・熊本に移住しよう」を実現することになりました。

3. 本州周遊ツーリング

2021年10月、九州に移住することを決めた管理人。本州のバイク仲間と時間の許す限り走りたいということで、2021年秋は色々なところに出向きました。まさに距離ガバ上等でした（笑）

・千里浜なぎさドライブウェイ（石川）：京都から石川県の千里浜まで約350キロ。日本で唯一、車やバイクで砂浜を走れる軌跡の道「千里浜なぎさドライブウェイ」を堪能して来ました。スラクストンRで1日700キロを初めて走って、相当身体にダメージが残ったのでよく覚えています。

・ヴィーナスライン（長野）：ライダーが選ぶ絶景ロードで常にベスト３に入る「ヴィーナスライン」。本州にいる間に絶対走ってみたいと思い、ソロで走りにいきました。10月でも頂上付近は5℃くらいでしたが、霧ヶ峰から見た絶景は忘れられません。

・せせらぎ街道（岐阜）：ヴィーナスラインからの帰り道、関東・中部のライダー仲間と走ったのが岐阜のせせらぎ街道。田舎の田園風景を横目に走れる快走路なので、オススメです。

・東尋坊（福井）：関西から火サスの聖地「東尋坊」へツーリング。ロケットカウル付きのスラクストン３台で一緒に走れたことが、本当に嬉しくて楽しかったですね。

・パールロード（三重）：スラクストン仲間と一緒に走ったパールロード。海と山が楽しめる道は、冬でも比較的温暖なので、バイクで年中走れます。そして伊勢・鳥羽は、海鮮系（牡蠣など）が美味しいレストランが沢山あります。

・舞鶴ツーリング（京都）：地元京都の先輩と、舞鶴赤レンガ倉庫へツーリングにいきました。舞鶴はとれとれ市場などの海鮮系が有名なので、グルメツーも楽しめます。

4. スラクストンRと共に九州へ

2021年11月某日、スラクストンRと共に海を渡り、九州・熊本に移住しました。熊本ではガレージハウスに住む夢が叶い、スクラクストンRと共に暮らす生活が始まりました。（京都にいた頃は、自宅から車庫まで9キロ離れていました）そしてスラクストンRで憧れの地を走れるのが嬉しくて、冬にも関わらす阿蘇周辺をよく走っていましたね。

熊本の”ガレージハウス”へ移住

後に、LMLスターデラックス、ドゥカティ900SS、ドゥカティ848EvoコルセSEを迎えることになりましたが、スクラクストンRは我が家の長男として君臨してくれました。

九州の地では、トライアンフ・ツーリングやMTGに参加し、多くのトライアンフ乗りさんと交流することができました。特に2022年5月に参加したスラクストンMTGでは、スクラクストン17台が集まり盛り上がった事をよく覚えています。スラクストンに乗っていて、道の駅、ツーリングスポットやライダーズカフェでもよく声をかけて頂き、有り難かったです。九州のライダーさんは、バイクが好きな人が多くて、スラクストンRが橋渡し役になってくれましたね。

バイクMTに参加してみた

5. 初めてのサーキット走行

2022年6月、大雨の中スラクストンRでサーキットデビューしました（HSR九州）と言っても雨の体験走行だったので、先導ありの最高速90キロくらいでしたが、とにかく雨でこけないように必死でした。物足りなかったのもあり、翌週もオートポリス走行会（曇り）に参加させてもらいました。その後サーキット走行にハマり、バイクの乗り方や構造について色々勉強しました。サーキット走行会にはドゥカティ848で走る事が多かったのですが、10月はドゥカティが入院中にだった為、再びHSR九州をスラクストンで走る機会がありました。スラクストンは2気筒のネイキッドマシンなので爆発的なパワーはないのですが、それでもストレートでは200キロ近く出ますし、コーナーもバンクさせれば素直に曲がってくれます。スラクストンRはサーキットでも十分走れる、素晴らしいバイクだと思います。

ついにサーキットデビュー with 雨☔️😭

本当のサーキットデビュー☀️

ピレリファントラックデイ in HSR九州

5. ありがとうスラクストンR

そんな走攻守揃った万能選手なスラクストンですが、冒頭で述べた通り、手放すことにしました。カフェレーサーのネクストステージである、カスタム車に乗るべくBMW R100RT改を手に入れましたが、大型3台を所有する余裕がない為、スラクストンRとは泣く泣くお別れすることに決めました。

ディーラーやバイク買取業者に下取りをしてもらうと、足元を見られるので個人売買で次のオーナーを探すことにしました。ヤフオクに出品し、状態確認やエンジン音を聞いてもらう為にYoutube動画も作成しました。

https://youtu.be/i-n8F0tf5uk

ヤフオクではスラクストンRが欲しい・乗りたい方々から、たくさんのコメントを頂きました。そのような中、本当にスラクストンRに乗りたいライダーさんから購入したいとの連絡を頂き、この方にスラクストンを託すことにしました。購入が決まってからのやり取りも非常にスムーズで、感謝しております。

そしてナンバープレート発送前に、スラクストンRでラストランをしてきました。ルートは、ミルクロード、マゼノミステリーロード（つい先日震災から復旧したばかりの道で、スラクストンで最後に走りたかったのです）、阿蘇パノラマライン、草千里、南阿蘇のライカフェ、そしていつものケニーロード。最後まで、スラクストンRは乗りやすく・カッコよく・最高のバイクでした。

6. 旅立ち〜次のオーナーさんの元へ

2023年6月某日、ついにスラクストンを発送する日が来ました。いつものようにハイエースに積み込み、自宅を出発。30分ほど走ってBSA熊本デポの一つであるニッコン熊本に到着しました。検査をしてもらい、バイクを引渡してきました。関西から海を渡って共に九州にやってきたスラクストンが、これから本州に帰っていきます。2年も連れ添った相棒と別れるのが寂しすぎましたが、次のオーナーさんに可愛がってもらうんだよと送り出しました。

トライアンフ・スラクストンRよ、今まで本当にありがとう。

向こうに行っても元気で走り続けてね！

ここまでご購読ありがとうございました。